サントリー子会社で海外のレストラン事業を手掛けるSFBI(三得利餐飲國際)がアジアで展開するペッパーランチは9月26日、香港内13店舗のペッパーランチで期間限定メニュー「キムチビーフペッパーライス(泡菜黑椒牛肉飯)」の提供を始めた。SFBIは、ペッパーフードサービス(東京・墨田)からアジアにおけるペッパーランチのFC運営権を取得し、アジア12カ国で展開している。
同社は熱効率が非常に優れた特殊鉄板を使い、260度に加熱された鉄板にステーキ肉や野菜、ご飯を盛り付け、数分で客に提供。鉄板から立ちこめる煙と作りたてを好む人が多い香港市場にも受け入れられている。香港では女性客が6割以上、家族連れなどが多いことも特徴だ。2~3カ月の季節ごとに展開するプロモーションメニューの中では、ヒット商品として「うなぎペッパーライス」や「サーモンペッパーライス」も生まれ、後者はグランドメニュー化したほど。
今回のプロモーションメニュー「泡菜黑椒牛肉飯」(79香港ドル)は薄切り牛肉と白飯にアクセントとしてコーンや、ネギ、キムチ、コチュジャンソースなどを加えたもの。ごま油で風味づけをする。セットメニューで提供し、チョコをかけたものにブラックペッパーを散らしたアイスとソフトドリンクもセットにして打ち出す。同メニューの目標は1日450食に設定し、約2か月間提供する。過去には「豚キムチ」で展開をした実績もあるが売り上げは芳しくなかったようで、「ペッパーランチでは牛肉を食べたいという声が多い」と同社の池野隆さん。
ペッパーランチは海外で展開する際、「最初からアジアに合うように料理をアレンジすることは一切していない」と池野さんは説明する。「入り口で最初に会計を済ませるなど、料理以外の環境的要因をローカライズする工夫などは行う」と話す。同社は2007年の香港進出以降、当初はショッピングモールなどのフードコート出店を攻め、その後3年前からレストラン型の店舗を展開。メーンのビーフペッパーライス(黑椒牛肉飯)が売り上げ全体の7割近くを占めるなど安定したビジネスを展開している。
同社は展開域内での店舗数を220店舗とし、香港拠点の出店目標を最大50店舗と設定。年内に●灣店、香港科学園店、馬鞍山店のオープンを予定する。香港では前年比約20%の売り上げ増加を記録し、1カ月に25~30万食、年間350万食を提供している。
●=草かんむりに全