香港経済新聞の2015年PV(ページビュー)ランキング1位に輝いたのは、「閉店情報に香港人が殺到-中華老舗の味が55年の歴史に幕」だった。今年は同店以外にも1月に銅鑼湾の上海料理「一品香菜館」や9月には魚蛋麺の老舗「夏銘記麺家」をはじめ多くの老舗が店を閉じたり、今月17日にはローストガチョウで知られる鏞記酒家も清算の方向へ進んでいくことが決定したばかり。
創部以来25年、初の快挙で喜びに沸いた日本人ドラゴンボートチーム
ランキングは今年1月1日から12月25日までに配信したヘッドラインニュースの PV を集計したもの。上位10位のランキングは以下の通り(カッコ内は掲載日)。
1.閉店情報に香港人が殺到-中華老舗の味が55年の歴史に幕 (1/22)
2.香港に日本の高級果物を扱うデザート店-わずか7坪の店に香港女性が行列 (7/27)
3.香港で「フードエキスポ」 農水相からふなっしー・AKBまで総力結集 (8/17)
4.ビクトリア湾望む尖沙咀・星光大道、再開発で封鎖か 城市規画委が批准 (8/24)
5.香港タクシー車両の革命児となるか-日産が導入したミニバン型タクシーが走行開始 (3/4)
6.香港政府、2016年の祝日を発表 旧正月は2月初旬、イースターは3月末 (5/13)
7.香港で初のレーシングカー公道レース開催決まる 来年10月9日開催へ (10/12)
8.岩手・釜石の大きな「泳ぐホタテ」が香港に 数量限定で定期的に (8/25)
9.香港の年末飾る大バザール「工展会」 キティちゃんヤムチャも (12/22)
10.香港のドラゴンボートレースで日本人チーム優勝 創設25年で初の快挙 (6/29)
2014年の1位を飾ったのが普通選挙をめぐる学生デモの記事だったことを振り返ると、この1年は閉店や再開発などの環境的変化に関する記事に関心が集まり、新店のオープンよりもイベント的な要素の記事が多く読まれた。
老舗の閉店には賃金を含めた物価の高騰や後継者問題を挙げるケースが多く、人件費、家賃などを除いて利益を確保することが難しくなった老舗の姿がみられた。一方で上半期1位、年間でも2位を記録した高級果物を扱うデザート店は昨年12月のオープン以来、1年で4店舗に拡大。高い物価の中でも工夫をして出店をする日系企業の知恵を見た。
来年のレーシングカー公道レース(7位)という新しさだけでなく、年末に開催される屋外大規模展示会(9位)など香港で長く続く風物詩にも同じように高い関心が寄せられた。スポーツに関するニュースとしては、日本人は毎年3分の一が入れ替わるという不利な状況にありながらも歴史的な快挙となったドラゴンボートレースの日本人チームの優勝(10位)が注目を集め、練習の組み直しで過酷な練習を重ね、心肺機能や筋力などの基礎代謝を上げることで本場香港チームと戦うことができる強さを見せたうれしいニュースとなった。
昨年と比較すると大きな動きは少なかったように思われる香港だが、街の移り変わりをいち早く抑えながら、2016年も香港に興味をもつ人が少しでも増えるよう発信を続けていきたい。