日本のみならず、米国などでも寒波が襲来しているなか、香港も寒波の影響を受け、気象庁に当たる香港天文台(Hong Kong Observatory)は1月24日、7時の気温が3.3度を記録したと発表した。その後も気温が下がり午後に3.1度を記録し、観測史上過去3番目の寒さとなった。
香港の場合、亜熱帯に属していることから、仮に大寒波が来たとしても上空では雪だが、都心部に降るときには雨になることがほとんどだ。香港で雪が観測されたのは過去4回で、1回目は1967年2月2日、柴湾(Chai Wan)郊外の歌連臣角(Cape Collinson)にある刑務所だった。2回目から4回目はいずれも香港で最も高い山である大帽山(Tai Mo Shan、標高957メートル)の山頂付近で観測され、日付は1967年12月13日、1971年1月29日、1975年12月14日。
今回は降雪になるのではないかと香港で大きな話題になっていたが、降雪は記録されていない。
しかし、記録的低温のため新界地区では霜が降りる事態となったほか、地上より気温が下がる山頂では最も気温が下がる早朝の5時20分に0.1度を観測。これまでの香港の公式発表の最低気温は1893年の0度、1957年の2.4度、1900年、1955年、2016年の3.1度が続く。
この寒さを受けて、香港政府教育局は1月25日の幼稚園と小学校の休校を決定。学校は開放し、必要なことをしなければならない児童に対応する。中学校は休校にはならないが、暖かい服装を呼び掛けているほか、屋外での活動を考慮するよう求めている。
医院管理局(Hospital Authority)によると24日17時現在、過去24時間に病院で運ばれた人は男性26人、女性17人の計43人。うち3人は、公立病院に運ばれた時は危険な状態だった。運ばれた人の一部は「Hong Kong Ultra Marathon」(通称HK100)という100キロマラソンの参加者もいた。九龍北東部にある飛鵝山(Fei Ngo Shan)に向かう道路では路面が凍ったため上り線は通行止めとなった。
体を温めようとこの日、鍋や火鍋を選択した香港市民が多いようで、16時のイオン太古店ではポン酢とゴマだれの多くがすでに売り切れ、鍋の具材も飛ぶように売れていた。需要の高さを反映し市民が食材を購入する街市の一部では白菜、カイランなどの野菜が1キロ当たり10ドルから20ドルに値上がりした。
香港天文台によるとこの寒さは2、3日続き、週の後半に入り気温が上昇するとしている。