イタリアン、フレンチ、バーなど香港で24店舗を構える飲食業界大手のDining Concepts社は9月27日、オーストラリア人デザイナーのアシュリー・サットンさんが内装を手掛けた「The Iron Fairies(アイアン フェアリーズ)」を中環にオープンした。(LG/F, Chinachem Hollywood Centre, 1-13 Hollywood Road, Central, Hong Kong Tel: 2603 6992)。
湾仔の「Ophelia」に続き香港で手掛けたアシュリー・サットンさん
「The Iron Fairies」はバンコクで開店後、東京の銀座に店を構え、三越から徒歩数分という抜群のロケーションにあることでも話題になった。店内では、同店が雇った手品師などのエンターテイナーが一つ一つのテーブルを回り個別にマジックを見せることもあるなど、客を楽しませるサービスも提供している。
香港では、「London House」「Braza」「ALTO」など多彩なスタイルのレストランを経営するDining Conceptsがアシュリーさんとタッグを組み、共同でビジネス展開。香港のバー業界のトレンドセッター、またはゲームチェンジャーになるべく、アシュレーさんがデザインしたバーを半年弱で一気に3店オープンさせた。
最初にオープンしたのは湾仔の「Ophelia」で、クジャクをイメージした内装が特に香港在住西洋人から評判を集めている。そして今回、「The Iron Fairies」と米国の有名バーテンダーJoseph Boroskiさんの名前を冠した「J.Boroski」がほぼ同時にオープンした。
「The Iron Fairies」のコンセプトの一つは炭鉱。オーストラリアの西部には炭鉱が数多くあり、中国への輸出で長い間、景気が良い地域だった。アシュレーさんは西オーストラリアのパース出身でデザイナーになる前は炭鉱で働き、その後、炭鉱を舞台にした童話「The Iron Fairies」を出版。約10年前にバンコクに移住し、レストラン向けの資材調達のビジネスをしていたことが現在のデザイナーへのキャリアにつながったというユニークな経緯を持つ。
香港の「The Iron Fairies」は12種類の妖精が炭鉱(=バー)を守っているという設定。席数は80席で、個室を6つ用意する。店内には、鉄でできた妖精のオブジェを飾るほか、炭鉱で使われる道具、カスタムメードの家具などを置き、独特の世界観を演出。1万を超える手作りのチョウが天井いっぱいにつり下げられている。
料理は、オージービーフ100%のハンバーガーに力を入れている。パイナップル、ベーコン、卵、ビートの根、チェダーチーズを挟んだ「Bizzy's Australian Burger」(138香港ドル)、レタス、トマト、タマネギ、ピクルス、ベーコンなどにハンバーガーソースをかけた「Fat Gut's Overloaded Burger」(158ドル)など5種類を用意。ドリンクはワイン、シングルモルト、ジン、ラムなど定番のほか、Joseph Boroskiさんが同店のために開発した6種類のオリジナルカクテルも。ジンベースで、クランベリーのコーディアル、ユズ、卵に乾燥させたタコが入っている「Pink Tako」(110香港ドル)がお薦めだという。
営業時間は18時~翌3時