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日本の駄菓子や香港の懐かしのお菓子を扱う店が人気に インベーダーやパックマンも

さまざまなお菓子を扱う香港で人気の駄菓子店

さまざまなお菓子を扱う香港で人気の駄菓子店

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 日本の駄菓子などを含め1970~80年代の香港の「士多」(ストアのこと。日本でいう昔ながらの個人商店)を体験することができる店「美楽士多」(Room C, 12/F., Por Mee Factory Building, 500 Castle Peak Road, Cheung Sha Wan, Hong Kong Tel: 9223 8538)が香港市民を中心に人気を集めている。日本の駄菓子はアニメ同様、当時の香港人が楽しんだ身近な日本だった。

オーナーの李志偉さん

 経営は錦泉発展(Charles Development)。同社を創設した李志偉(Patrick Lee)さんは、別会社でボタンを製造する会社を経営しており、7年前にファッション関係の会社が多く集積する 茘枝角(Lai Chi Kok)に自身のオフィスを構えた。「10年位前から趣味で、あらゆるビンテージのものを集めていて、ショールームの一部に購入してきたビンテージの商品を置いていた。そんな中、購入したものの一部を販売しようということになり、昨年1月、『PM2 store』を開いた」と話す。「PM2 storeの一部に小さな駄菓子コーナーを設置したところ、客の反応がいいので駄菓子の部分を独立させるような形で拡張することを決めた」と経緯を振り返る。

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 広さは同フロアに「PM2 Store」が1000平方フィート、「美楽士多」が500平方フィート。美楽士多に入るとそは一気に香港の駄菓子店の世界が広がるが、粒が6個入りの「マルカワ」のガム、眼鏡の形をしたチョコレート、パウダーに水を加えて飲むジュースなど日本でなじみの商品も数多く取りそろえている。李さんによると、ガムなどは昔の香港でも日本から輸入販売されており、香港の子どもたちも学校帰りに駄菓子屋に寄りお菓子を買っていたそうだ。

 香港ならではの商品も並ぶ。「緑寶(green spot)」と呼ばれる1934年にアメリカで発売されたオレンジジュース、昔は香港でも売られ人気を博していた。その後、販売されなくなり香港の街からは消えたが、李さんはタイでは今でも販売されていることを知り、タイからわざわざ輸入している。

 店の奥には1970年代に製造されたと思われるペプシ・コーラの瓶があり、栓が開けられていないものまで残っている。「香港郊外の士多の倉庫を訪れる機会があり、倉庫の奥の方がほこりをかぶったペプシがあった。販売し忘れた商品だと思うが売り物にならないと思い、お願いして譲り受けた」という。

 香港ローカル商品もあり、特にキャンディーは人気だという。旧正月には中環(Central)のハーバーフロントで開催された旧正月イベントにポップアップストアを出店。9種類の味のキャンディーとすごろくを合わせて45香港ドル販売するなど、知名度の向上にも努めている。

 店内にはゲームセンターに置かれていたパックマンとスペースインベーダーもディスプレー。「日本人の友人がアーケードゲーム機のコレクターを知っていて、その人がいる新潟まで会いに行った。本当は売らないと言われたが、店のコンセプトを説明すると理解してくれ購入することができた」と笑顔を見せる。

 ほかにもルパン三世が愛用する拳銃、ワルサーP38の銀玉のおもちゃ、仮面ライダースーパー1やアイドルのブロマイドまであり、そこには完全にタイムスリップした世界が広がる。

 一方、PM2 storeの方もユニークな店構え。販売はしていないものの、学校で使われたり、壊れたりして使えなくなった椅子を譲り受け、それを陳列棚として再利用している。昔の恵康(Wellcome)のレジ袋、マッキントッシュIIなどの非売品も含め、なかなか見る機会のないものを多く展示している。販売品では、一昔前の電動の鉛筆削り(350香港ドル)、ダイヤル式の電話(1,200香港ドル)など今の30代後半以上であれば懐かしい商品を並べるほか、鍋、フライパン、皿、時計などの商品も扱う。

 2015年、2016年に一時的に復活した遊園地「茘園」の園内では、親から子の世代に自分たちの子ども時代話を語り継ぐような光景が見られたが、李さん「こういう香港の文化を次の世代に知ってもらうのは大事。店を開くことよりも維持していく方が大変なので、いろいろ工夫して運営していきたい」と穏やかな表情で話す。オープンして間もないが、同店の話を聞きつけた香港人が多く訪れているほか、地元メディアの取材も増えるなど、注目を集めている。

 営業時間は12時~19時30分。

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