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香港版アカデミー賞「金像奨」 日本人作曲家が音楽賞受賞の快挙

香港でも毎年注目の香港版アカデミー賞「金像奨」

香港でも毎年注目の香港版アカデミー賞「金像奨」

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 香港のアカデミー賞に当たる「第36回金像奨(香港フィルムアワード)」が4月9日、香港文化中心(Cultural Centre)で行われ、最優秀映画音楽スコア賞で日本人作曲家でありピアニストの波多野裕介さんが受賞した。作品賞は許学文(フランク・ホイ)、欧文傑(ジェイソン・アウ)、黄偉傑(ヴィッキー・ウォン)の3人の監督の「樹大招風(Trivisa)」が受賞した。

日本人として快挙を遂げた波多野裕介さん(右)

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 香港では毎年3月下旬から4月中ごろ過ぎまでの約1カ月間、「香港国際映画祭」「香港国際フィルマート」など香港影視娯楽博覧(エンターテインメント・エキスポ)が開催されている。この金像奨は一連の映画イベントのハイライトともいえる。

 波多野さんは受賞した最優秀映画音楽スコア賞においてノミネートされた5作品のうち2部門でノミネート。一つは「一念無明/Mad World」が単独で、そしてもう一つが「七月與安生/Soul Mate」は金培達(Peter Kam)さんとの共同作品だ。今回は「七月與安生/Soul Mate」の方で受賞に輝いた。同じく最優秀映画音楽ソング賞でも「幸運是我/Better Tomorrow」でもノミネートを受けていた。波多野さんはアメリカ生まれの日本人で、名古屋、シンガポール、マレーシア、オーストラリアなどにも在住し、2011年から香港を拠点に活動している。壇上ではまずは広東語で感謝の意を表明。続いて英語で「音楽は自分1人ではなくチームとして一緒に作ったもの。家族、妻、そして、先生(金培達さんを指しながら)に感謝したい」と話した。最後に再び広東語で「我会継続努力!」(これからも努力し続けます)とあいさつした。波多野さんは31歳と日本人が受賞した金像奨では史上最年少での受賞となった。

 最優秀作品賞にノミネートされたのは12分野でノミネートされた「七月與安生/Soul Mate」のほか「美人魚/Mermaid」「寒戦II/Cold War II」「樹大招風/Trivisa」「點五?/Weeds On Fire」の5作品。受賞した「樹大招風/Trivisa」は1997年に中国が香港に返還されたとき、3人の犯罪者を描いたクライムサスペンス。中国の官僚の汚職も描かれているため中国では公開禁止となった作品だ。

 主演男優賞は「樹大招風/Trivisa」に出演した林家棟さん。これまで助演男優賞には3度ノミネートされていたことがある実力派俳優。人気俳優、劉徳華(アンディ・ラウ)さんの盟友としても知られている。主演映画では初ノミネートで初受賞となった。主演女優賞は「幸運是我/Happiness)の惠英紅さんが1982年、2010年に続く3度目の受賞となった。2016年12月に認知症を患っていた母親が亡くなったこともあり檀上でのあいさつは感極まって涙が止まらなかった。

 最優秀助演男優賞は「一念無明/Mad World」の曾志偉(エリック・ツァン)さんが、最優秀助演女優賞は同じく「一念無明/Mad World」に出演した金燕玲さんが戴冠した。最優秀新人賞は「點五●/Weeds On Fire」で好演した胡子?さんだった。

●=丹へんにさんづくり

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