香港・中環のシティホール(1/F, Exhibition Hall, Hong Kong City Hall, Low Block)で現在、ファッション、映画、音楽、プロダクトなどさまざまなカテゴリーの香港クリエーティブの歴史をたどる展示会「VERY HONG KONG VERY HONG KONG(好香港 好香港)」が開催されている。香港のクリエーティブ文化の歴史の変遷を、「グラフィック」「プロダクト/玩具」「建築」「空間設計」「写真」「音楽」「コミック」「メディア」「ファッション」「映画」「広告」という11のカテゴリーに分け、150以上を展示する。
同展は香港返還20周年を記念する「香港特別行政区成立二十周年慶典成為認可的慶祝活動」の一つで、キュレーターは香港を拠点に日本関連でも実績があり、広告界などもでも活躍するデザイナーのアラン・チャンさんとスタンリー・ウォンさんが務める。平面での文字による紹介だけでなく、さまざまなアイテムを置き、視覚だけでなく楽しむことができるよう工夫を凝らす。
床には香港を象徴するアイテムのタイル模様のシートを施し、ファッションカテゴリーからスタートする会場。香港ファッション界のパイオニア的存在のジョイス・マーさんの紹介や號外(シティマガジン)の表紙の展示、80年代を代表するレガンス・ラムさんの紹介をしながら、チャイナドレス「長衫(丈の長い中国服)」なども展示する。
カテゴリーでは60年代~2000年代までを代表する楽曲を、視聴器を置いて自由に楽しむことができるようにし、ヘッドホンを耳に着けて多くの曲を聴くこともできる。香港の歌として歌い継がれ、先の雨傘革命でも多くの人が祈りを込めた歌、70年代に獅子山麓の団地に住む香港庶民の生活を描いたドラマのテーマであり、香港人の心の歌として歌い継がれる「獅子山下(ライオンロックの麓で)」なども紹介し、鼻歌を歌う来場者も見られる。
プロダクトのコーナーでは、香港のネオンサイン、卵、砂糖、小麦粉で作られる香港スナック「鶏蛋仔(ガイダンジャイ)」を作る型、紅白の模様で彩られた香港版ビーチボール「西瓜波(スイカボール)」、現在でも街中で時折目にするナイロンバック「紅白藍袋」に、香港中を縦横無尽に走る庶民の足「小巴(ミニバス)」の行き先表示プレートなどのプロダクトを紹介するコーナーにも人が集まる。MTRの改札機の背景にオクトパスカードのプリントを敷き詰め、写真などを撮りやすく提供するスペースなど、各所に遊び心もちりばめる。
ガイドツアーや講演、ワークショップや映像上映、音楽パフォーマンスなどのイベントも随時開催予定。
開催時間は10時~20時。入場無料。シティホールは20日まで。灣仔のコミックベースはこれに続き、今月17日~29日に開催予定。