香港で記念切手「香港之夜Ⅱ」発売 撮影禁止となった「モンスター・マンション」も

香港で発売になった人気の夜景スポットの記念切手

香港で発売になった人気の夜景スポットの記念切手

  •  

 香港郵政(Hong Kong Post)が3月22日、香港の夜の景色にフォーカスした記念切手「香港之夜Ⅱ(Hong Kong NightⅡ)」を発売した。その中には現在、撮影禁止になったにもかかわらず連日撮影する人たちがやまない「モンスター・マンション」も含まれている。

現在は撮影ができない「モンスター・マンション」も

 この記念切手の発売は、昨春「香港夜景撮影比賽(A photography competition on night-time Hong Kong)」を開催し、応募作品の中で優秀作品を切手にしたもの。「香港之夜」シリーズとして初回を発売したのは1983年であることから今回は35年ぶりの第2弾となる。

[広告]

 切手に採用された一つ目の場所は、コンセントプラグやライトといったさまざまな電気製品の出店などが軒を連ねる活気のある通り。深水●(Sham Shui Po)の鴨寮街(Ap Liu Street)と桂林街(Kweilin)の交差点の夜景(額面2香港ドル)。2つ目は中環(Central)の夜景(同3.7香港ドル)。奥には長江集団中心(Cheung Kong Centre)や中国銀行(Hong Kong)が描かれている。3つ目は●魚涌(Quarry Bay)にある「怪獣大廈(Monster Building)」(同4.9香港ドル)も採用された。4つ目は東涌(Tung Chung)にある「天壇大佛(Tian Tan Buddha)」(同5香港ドル)で、香港を代表する観光スポットとして知られる。一部売り切れも出ているが、香港内の全ての郵便局で4枚セットになった切手(15.6香港ドル)と、折りたたみ式の台紙に入ったセット(30香港ドル)を販売している。

 この切手の中での話題は「モンスター・マンション」で有名な●魚涌のマンション群。これらは福昌楼(Fok Cheong Building)、海景樓(Oceanic Building)、海山樓(Montane Mansion)、益昌樓(Yick Cheong Building)、益發大廈(Yick Fat Building)の5棟が「ヨ」の字の形になってそびえ立っている。益發大廈は18フロア、全681戸で1972年に入居を開始した。同マンションの土地は1967年5月16日から75年間の契約で、75年のオプションが付いている。

 これらのマンション群は、地階部分がレストラン、ランドリー、理髪店、雑貨店などマンション住民にとって必要な店がそろっており、南側から見ると三方を囲まれている。住宅密集地である香港らしい生活感と威圧感が同居し、昭和の下町のような、時間が止まり、隔絶された光景を目にすることが可能だ。大手不動産会社の実績数字では、例えば同マンションの6階10室(315平方フィート)を2011年6月に200万香港ドルで購入したものが、今月350万香港ドルで売却されたという。老朽化したマンションでもロケーションが良く、観光地としてのプレミアがついた。

 このマンション群が特に有名になった最初のきっかけはフランス人写真家ロマン・ジャケ-ラグレズさんが2012年に「Vertical Horizon」と題した作品で注目を集めたことによる。その後、同マンション群は、2014年に公開された映画「トランスフォーマー/ロストエイジ」のシーンに使われたことで火がつき、隠れた観光スポットとしてコア層が訪れる撮影地点となっていた。満島ひかりさんが同所でMVを撮影したほか、小嶋陽菜さんも写真集の撮影で使ったことがある。中央の吹き抜けのような広場的なところには適度な高さの台がいくつかあり、撮影スポットして活用しやすいということも「インスタ映え」時代にマッチして多くの人を呼び込む結果になった。

 あまりにも観光客が多く訪れたため、1月末に5つのマンションのオーナーたちが「ここは私有地でありプライバシーの観点から許可なく撮影することを禁止する」という貼り紙を貼り出した。現在は、一時と比べて平和的になりつつあるようだが、それでも貼り紙を無視して撮影するマナーのない人もいるのが実情だ。

深水●=土へんに歩  ●魚涌=魚へんに則