2009年に始まり、2014年に開業をする香港島を横につなぐウエストレイルライン線(西港島綫)延伸の建設工程が完了し、10月31日香港政府のキャリー・ラム政務長官やMTRコーポレーションのジェイ・ワルダー(Jay Walder)CEOも出席して完成式典が開かれた。
MTR延伸プロジェクトは中環(セントラル)の隣駅上環(ションワン)から先の3駅を建設するもので、上環より先が西営盤(サイインプン)駅、香港大学駅、堅尼地城(ケネディタウン)駅となり、現在進行中の5つの延伸プロジェクトの中で一番最初に完成することになる。
香港の西区に位置する同エリアはこれまで、上環の先はトラム、バス、タクシーなどの交通機関を使わなければアクセスできなかったが、3駅の出口は計15カ所設置され、同地区に住む20万人のうち9割の人が徒歩圏内で駅を利用することができるようになる。これまで堅尼地城から上環までの移動に15分~25分必要だったところが8分で移動できる計算になり、同エリアの住民の移動は大きく変化する。
会見冒頭のあいさつで、MTRのジェイ・ワルダーCEOは「MTRの役割は市民の声を聞くこと。今後もコミュニティーのニーズに応えていきたい。安全で信頼ができ必要不可欠な存在で市民の近くにある地下鉄でありたい」と語った。
今回の主要3駅をつなぐ704工区を地場大手のギャモン社と担当した西松建設の林謙介香港支店長も会場を訪れ、「特に当地区は、すでに存在する高層ビル群のすぐ近くで爆破などもしなければいけないという条件があった」と香港特有の難しさを挙げ、環境問題にも配慮しながら建設工事を進めてきたことを語った。
現在の完成は約8割程度。電力供給システムの納入、架空電車線への通電作業を今年いっぱいで完成させ、試験運用を経て2014年の開業を予定する。