香港・尖沙咀に新スタイルのバーが登場-対象は日本人在住者・出張者

手作りの漬物と梅干を用意する新感覚のバー。熊谷さんの出身地宮城の酒も扱う

手作りの漬物と梅干を用意する新感覚のバー。熊谷さんの出身地宮城の酒も扱う

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 尖沙咀からほど近く、各国料理レストランが立ち並ぶエリア(16F.,SOHO TOWER,25Hart Avenue,TST)に12月9日、珍しいスタイルのジャパニーズ・タパス・バー「酒の一滴は血の一滴涙こぼしても酒こぼすな」がグランドオープンした。

木の温もり感と清潔さが印象的な店内

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 店を切り盛りする熊谷真希さんはもともと広州に10年住み、天河地区でバーを運営。他の国も見てみたいと思い立ち、2年の充電期間を経て香港に同店をオープンした。カウンター11席、テーブル6席のこぢんまりとした店内は女性一人でも躊躇なく来店できる雰囲気が特徴だ。

 同店の店名はもともと広州時代に何度か店名を変更した時に「同店の顧客はちゃんと名前を覚えてくれず、好きな名前で呼ぶ」という経験から、「覚えてもらえないのであれば、覚えられない名前を付けてしまおう」と思ったことがきっかけだという。この長い店名も広州時代の来店客同士の会話の中から生まれたエピソードがあり、「お酒を一滴まで大切にする」という意味が込められている。

 同店は1人120香港ドルのチャージを基本とし、スナックタイプの料金設定。日本酒や焼酎、ワインなどを揃えるが、特徴は酒のつまみや食事類で、他店と異なるこだわりがある。「ぬか漬け(50香港ドル)」や「手作り味噌の焼味噌(50香港ドル)」など、味噌も黒豆を使ったものやひよこ豆を仕上げたものなど数種類手作りし、ポン酢もいちから手作りしているという。「市販のものがあまり好きではないので、こんなものが食べたいなと思ったら手作りになってしまった」と熊谷さん。梅干しは日本で友人が手間暇かけて梅の実から作ったものを提供する。また「汁なし担々麺(45香港ドル)」は常連客の間でも「本場の広州の味を楽しめる」と好評だ。メニューは熊谷さんの気分で変わることもあるといい、冬場はおでん(70香港ドル)も用意する。

 オープン後は広州時代の顧客を中心に口コミで人が集まってきているという。初めて来た人でも隣の人と気軽に話をしたり、店全体がひとつの集まりになってしまうこともあるそうだ。「基本的には香港スタイルに変えるのではなく、日本らしく、同胞の日本人が来てほっとできる店づくりをめざしている」と熊谷さん。「お酒を楽しみ、私との会話も楽しんでもらえれば。どんなジャンルのお話でも対応できる。」と自信をのぞかせる。

 店内には熊谷さんのお母さんが作った着物の古布で作った掛け軸が飾られ、お父さんの撮った風景写真が貼られているなど、シンプルさの中にも味わいがあり、家族のように暖かい気持ちで一杯楽しむことができる店をめざす。

 営業時間は18時~翌2時。

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