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経済自由度、香港が再び1位に返り咲き

再び経済自由度1位に返り咲いた香港

再び経済自由度1位に返り咲いた香港

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 カナダ西部のバンクーバーに本部を置く公的なシンクタンク「フレーザー・インスティテュート」は10月16日、経済自由度を評価する「世界の経済自由度2024(Economic Freedom of the World: 2024 Annual Report)」を発表し、香港は8.58 ポイントで1位だった。

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 2022年までは28年連続で世界一だった香港だが、2023年にシンガポールに抜かれて2位になったものの、今年は「定位置」に戻った。2位は8.55ポイントのシンガポール、3位は8.43ポイントのスイスだった。日本は7.90ポイント11位、中国は6.14ポイントで104位にランクインした。

同インスティテュートのリポートは1996年に始まり、今回は2022年の経済状況を評価した数字となる。これはコロナ禍の影響で世界各国・地域の各種データがまだそろいきれていないという実情があるため。同インスティテュートも今回のリポートについて「チャレンジングな環境だった」と吐露している。

 評価は、「政府のサイズ」「法制度と財産権」「通貨の健全性」「国際貿易の自由」「レギュレーション」の5つの分野を各10点満点で行い、世界165カ国・地域を対象とした。2022年の世界平均は6.56ポイントで、2000年以降、最も高かった2019年の6.80から0.24ポイント減少しており。最も経済的に自由な場所において、もっとも貧しい10%の人の年収は7,610米ドルだった。その一方で、最も経済的に自由な場所の年収は952米ドルという現象が発生した。経済的に自由でない地域での働く子どもの割合は最も自由な地域の約2.5倍に達するとした。

 1位に返り咲いた香港は「政府サイズ」において前年の7.92ポイントから7.34ポイントに下がって45位、「法制度と財産権」は同7.58ポイントから7.49ポイントに減少し、順位は21位で順位は前年とほぼ変わらない。「通貨の健全性」は同9.57ポイントから9.53ポイントで3位、「国際貿易の自由」では同9.66ポイントから9.57で1位、「レギュレーション」は同8.64ポイントから8.86で1位だった。政治の順位は低いが通貨、国際貿易で大幅に挽回した。2023年は28年間維持してきた世界ナンバーワンの座をシンガポールに譲ったが、2024年は世界一の称号を奪還した。同リポートでは2018年は9.05でトップだったが2024年は8.58ポイントと数字を下げた上での1位になっており、質という意味では低下しており、改善の余地があると言えそうだ。

 一方、日本は前年の7.79ポイントから7.90ポイントで実態の数値は下がったにもかかわらず、順位は前年の20位から11位に大幅に上昇。「政府サイズ」=5.85(130位)、「法制度と財産権」=7.70(19位)、「通貨の健全性」=9.55(1位)、「国際貿易の自由」=8.50(35位)、「レギュレーション」=7.93(14位)となった。

 好順位の背景としては、通貨の健全性が1位なったことが大きいが、少子高齢化社会について懸念しており、「未来はあまり良くない」とも評価している。

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