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2024年訪日香港人は268万人超 過去最高を大きく塗り替え

年末年始も多くの観光客で賑わった

年末年始も多くの観光客で賑わった

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 日本政府観光局(JNTO)が1月15日、2024年の訪日外国人観光客統計を発表し、香港の速報値は前年比26.9%増の268万3500人で、過去最高だった2019年229万792人を大きく更新した。人口753万人の香港はさまざまな国籍の人が住む国際都市であり、中華系は約92%の約687万人であることから計算しても2.5人に1人が訪日したことになる。

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 香港政府観光局(HKTB)も同15日、来港外国人観光客について発表した。香港政府観光局(HKTB)の発表によると、香港を2024年に訪れた旅客の数(速報値)は、前年比31%増の延べ4450万2787人だった。コロナ禍の2019年比では依然として2割下回っている。日本人の観光客数の具体的な数字は今月末の発表となるが、既に発表されている2024年1月~11月の累計で50万2707 人、前年比67.4%増まで回復した。日本からの出張者が増えたことや同局が積極的にプロモーションも仕かける香港ディズニーランドや香港の街なかグルメやアートなどにも注目が集まっていることが要因として挙げられる。しかし、2018年に香港を訪れた日本人が128万7773人だったことからみると、まだ半分にも至らず、日本と香港の互いの来訪者に関しては対照的な結果となっている。

 訪日客全体で見ると2024 年の年間訪日外客数は 3686万9900 人で、前年比では 47.1%増、2019 年比では 15.6%増と、過去最高だった 2019 年の 3188万2049 人を約 500 万人上回り、調査を始めた1964年以来過去最高を更新した。JNTOによると、桜・紅葉シーズンや夏の学校休暇など、ピークシーズンを中心に各市場が単月での過去最高を更新し、東アジアのみならず東南アジア、欧米豪・中東においても実数を増やしたことが、年間過去最高の更新につながったとしている。

 国・地域別でみると、最も多かったのは韓国の881万7800人(前年比26.7%増)で、これに続き中国が698万1200人(同187.9%増)で大きく数字を伸ばした。2019年は900万人の壁を越えた中国だが、ピークだった2019年の約959万人の7割強の水準にとどまっている。台湾も604万4400人(同43.8%増)は3位だったが、米国272万4600人(同33.2%増)が続いたことで、総数では「定位置」の4位から香港が5位に転落した形となった。

 しかし消費額で見ると、香港は依然として注目市場である。外国人旅行消費額総額は、前年より53.4%増の8兆1,395億円と過去最高を更新した。国・地域別の訪日外国人旅行消費額のシェアは、訪日客数では2位だった中国が全体の21.3%を占める1兆7,335億円で2019年以来のトップに。ついで台湾が1兆936億円(構成比13.4%)、韓国が9,632億円(同11.8%)、アメリカが9,021億円(同11.1%)、香港が6,584億円(同8.1%)と続き、これら上位5カ国・地域で全体の65.7%を占めた。

 ただし、香港の1人当たり旅行支出を見ると、24万8,011円(前年比9.1%増)で、平均22万7,242円を上回る。国籍・地域別にみると、英国、オーストラリア、スペインなどが30万円後半で総額は高いものの、香港人は1年に何度も訪日するため、1人当たりの訪日での年間支出総額を見れば圧倒的に多い計算となる。香港人の旅行での支出を項目別にみると、宿泊費が7万3,716円、飲食費5万3,576円、交通費 2万2,629円、娯楽等サービス費8,882円、買い物代8万8,762円、その他 447円となる通り、平均泊数が台湾の6.0泊に続き6.8泊と短期滞在の中で多くの消費をしていることも顕著に分かる。モノ消費からコト消費と言われるなかで、しっかりと買い物にもお金を使っていることが分かる。

 香港からの地方路線は、静岡線の新規就航や、香港-仙台路線の13年ぶりの回復復便など明るい話題も多い一方、香港国際空港をハブとした全世界への路線は増えつつあり、2025年はより競争も激化する一年になると予想される。

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