福岡発のベーカリー「MOROPAIN(モロパン)」(尖沙咀加連威老道 29 號信基商業中心地下 A 及 B 舖)が1月26日、海外初となる店舗を香港・尖沙咀にオープンした。
香港限定の目玉商品「ティラミスメロンパン(日式提拉米蘇蜜瓜包)」
今年で創業11年目を迎えたモロパンは、福岡の静かな住宅街に本店を構える。朝7時のオープンからほぼ全ての商品が並ぶ「朝パン」の店としても知られ、3時間待ちの行列ができたこともあるという。
創業者の諸永裕士さんは日本のベーカリー「ドンク」出身のパン職人で、多くのパンコンテストでの受賞経験を持ち、最近はアジア各国で製パン技術の講習なども積極的に行っている。
香港出店のきっかけは、同店のパンを気に入った香港のパートナーからのオファーだったという。諸永さんは「店のレイアウトやパンの陳列方法など、日本との商慣習や文化の違いを感じ戸惑いもあったが、日本と同様のクオリティーを保つことは前提として、香港の要素も柔軟に取り入れながら、パートナーと連携して準備を進めた」と話す。
店内は日本の店舗と同様にグレーを基調とし、木製の陳列棚やドライフラワーの装飾など、「ナチュラルな要素を取り入れた」デザインとした。約2500平方フィートの店内には、日本と同様にオープンキッチンを設けたほか、店内で買ったパンやコーヒーを食べることができるイートインスペースも設けた。
日本で一番人気だという「メロンパン(日式蜜瓜包)」(26香港ドル)は諸永さんが独自に開発したレシピで、パン生地にチーズを加えることでよりふんわりとした食感を実現したという。香港限定で新たにチョコレート味のメロンパンも用意した。
香港限定の目玉商品として、メロンパンでティラミスをサンドした「ティラミスメロンパン(日式提拉米蘇蜜瓜包)」(48香港ドル)と「抹茶ティラミスメロンパン(抹茶提拉米蘇蜜瓜包)」(52香港ドル)を毎日各20個限定で販売する。諸永さんはこれまでスイーツは販売していなかったが、香港在住の日本人パティシエ松岡哲也さんと香港で出会い、共に商品を開発する中でこの商品が新しく生まれたという。商品開発当初は意図していなかったというが、ローカルフードであるバターを挟んだ「菠蘿包(ボーローバウ)」を連想するとして、香港人の反応もとても良いという。
ほかにも、2011年のカリフォルニアレーズンベーカリーコンテストでグランプリを受賞した「ニダベイユ・オ・レザン(葡萄園蜂蜜軟麺包)」(38香港ドル)や、香港では形状をチョウのような形にアレンジした「クイニーアマン(法式蝴蝶甜酥)」(24香港ドル)、総菜パンで一番人気のホットドッグ「モロドッグ(熱狗)」(48香港ドル)など、約50種類の商品を用意した。
当面は日本と行き来して商品のクオリティーをチェックするという諸永さん。香港以外でも、アジア各国での出店の話も出ているといい、「海外でモロパンの認知が広がり、いつか福岡の店が聖地のようになればうれしい。そのためにも、まずは香港の店をしっかりと立ち上げたい」と意気込みを見せる。
営業時間は8時30分~20時。現在はソフトオープン中で、グランドオープンは2月11日を予定。旧正月元日(1月29日)は休み。