
ガパオライス「打●飯」を香港風にアレンジしたメニューなどを提供する「Rosjad(ロスジャッド)」が6月14日、香港・旺角の通菜街にグランドオープンした。旺角駅から徒歩で5分、観光客も集まる女人街として知られる通りに店を構える。
ガパオはタイ料理の一つで、ホーリーバジル(ガパオ)を使った炒め物を指す。一般的には鶏ひき肉(ガイ)を使うが、豚肉や牛肉を使うこともあり、味付けは、ニンニクや唐辛子を炒め、オイスターソース、ナンプラー、砂糖を加えて甘辛い味に仕上げる。目玉焼き(カイダーオ)をトッピングとしてよく添え、半熟の黄身を絡める。ご飯は、ジャスミンライスと合わせるのが一般的だ。
こぢんまりとした店内は、「Rosjad」の文字が光り輝く看板とピンクの金属製ゲートでバンコクのストリート感を意識して派手に仕上げ、22席を設ける。トタン屋根や落書きなどのストリート感に加え、タイの楽曲を流すなどして、タイを楽しむことができる演出を施す。
料理を監修するギッグ・カモル(Gigg Kamol)シェフは、タイの「鉄人シェフ」コンテストの優勝者。タイ料理の専門家で、特に打●飯(ガパオライス)の調理技術でその名が知られるようになった。その料理は「●氣」、つまり強い火力で炒めることで生まれる香ばしさを生かした調理法を特徴とする。
伝統的なタイ料理に独自のアレンジを加えたメニューは、香港の中華ソーセージ「臘腸」や「潤腸」を取り入れた打●飯として、話題になっている。カリッとさせた白身とふわふわのダックの黄身を使う目玉焼きとスロークックで煮込んだ牛の頬肉を使う目玉メニュー「紹牌煎蛋打●慢敦牛麺頬飯」(128香港ドル)でも、「肉に添えるダックの卵は、卵白を先に炒めてから黄身を炒めるので、カリッとしているだけでなく、卵の生感も残した」とオーナーの一人、江嘉弘さんは話す。江さんがバンコクで入った店で食べたガパオがおいしく、香港にも出店できないかと交渉したのが出店の背景にあるという。
オリジナルフレーバーやソーセージ以外にもピータンなど、香港の食材使うガパオも用意。ギッグシェフと議論を重ねながら、「香港の要素を取り入れながらも、本来のタイの味をしっかりと生かしたガパオを完成させた」という。辛さは3段階の辛さレベルがあり、好みに合わせて調整できる。
ほかにも、サーロインステーキ(138香港ドル)、ポークネック、ポークバラ(以上82香港ドル)のグリルも注文できる。これらの肉料理は「ソースが決め手」だと言い、ステーキにはスパイシーピーナツソース、ポークベリーにはピーマンを使ったソース、ポークネックにはシーフードのタイソースを合わせた。これは自家製で仕上げたもの。タイ風焼きそば「パッタイ(炒金邊粉)」(95香港ドル)もメニューに並べる。
ランチでは、ガパオかパッタイの注文客のドリンクを半額にするほか、1ドルで、卵の追加や指定のコーラ飲料を追加できる。
デザートも充実させ、パンダン風味のデザートやマンゴーミルクティープリン「芒果●茶布甸」など、タイ風スイーツも提供する。「何でもある香港の大衆店とは違って日本にもある専門的な要素を強めたいと思って出店している」と江さん。「香港でガパオと言えばここに来てもらえるようになれれば」とも。
営業時間は、 ランチ=12時~15時30分、ディナー=18時~21時30分。
●=手へんに尢に力。●=金へんに草かんむりに隻、●=女へんに乃。