
大手ホテルチェーン、ヒルトングループは9月3日、香港の上環エリアにアジア太平洋地域初となる「Motto by Hilton SoHo」(83 Jervois St, Sheung Wan, Hong Kong)を開業した。
柔軟な設計を採用した、最大4室まで連結可能なコネクティングルーム
開業初週から欧米・東南アジアからの予約が好調で、特にミレニアル世代やデジタルノマド層からの支持が高いという。香港のホテル業界では、ポストコロナの観光回復に向けて都市型・体験型ホテルの需要が高まっている。
「Motto by Hilton」は、都市の中心地での滞在を楽しむことができる「コンパクトでスタイリッシュ」なホテルブランドで、これまでにアメリカ、メキシコ、オランダ、ペルーなどで開業してきた。加えて、20以上の新規開発案件を進行しており、世界中で規模を拡大している。
アジア太平洋地域初展開の地として選ばれたエリアは、石畳の坂道やエスカレーター沿いにバー、レストラン、カフェ、ギャラリーが立ち並び、地元の若者や在住外国人、観光客が集いにぎわうエリア。歴史的建物や骨董(こっとう)店も多く、アートとカルチャーが感じられ、西洋と東洋が混ざり合った雰囲気が特徴。
同ホテルのデザインコンセプトは「Urban Fabric(アーバン・ファブリック)」で、「香港を形づくる物理的、空間的、社会的な『糸』を重ね合わせ、街の個性を表現している」という。同コンセプトの下、館内にはアートや「遊び心のある」デザインを取り入れ、ホテル全体で香港やSOHOエリアの活気とエネルギーを表現した。
客室数は全274室。同ホテルは「スタイリッシュなマイクロホテル」をうたい、コンパクトながら壁に収納できるフレックスベッドや2段ベッドなどを採用している点が特徴。最大4室まで連結可能コネクティングルームも用意し、ファミリーやグループなど多様な滞在スタイルに対応することができるようにした。
宿泊客と地域住民が交流できるコミュニティースペースを設けるほか、コワーキングエリア、ジム、セルフランドリーのほか、セレクト雑貨の自販機も設置し、滞在中の利便性向上を図る。
ホテル内には3つの飲食エリアがある。「The Nams」は伝統と新しさを掛け合わせた中華料理のレストラン。「カニ甲羅詰め焼き」「ロブスタースープのクリスピーライス添え」など、地元食材を使い「味だけでなく見た目にもこだわった料理を提供する」という。
「Club 38」はビクトリアハーバーを一望できる高層階のラウンジ。予約制で24時間食事をすることができ、軽食からステーキまで幅広い食事メニューを提供するほか、シグネチャーカクテルや特製ブレンドコーヒーも提供する。
「Lobby Bar 38」はシャンパンやフランス産ワインに特化した立ち飲みバー。SOHOエリアのにぎわいを感じる空間で、立ち飲みという気軽なスタイルを提供する。
上環駅から徒歩2分、香港マカオフェリーターミナルから徒歩10分と、交通アクセスの良さも同ホテルの特徴の一つ。同ホテルを拠点として、ホテル周辺エリア、香港の郊外エリア、さらにはマカオでの観光まで楽しむことができる。