九龍半島の彌敦道(ネイザンロード)沿いにあるホテル「香港逸東酒店(イートン香港)」(B2, Eaton Hong Kong, 380 Nathan Road, Jordan, KLN TEL 2710-1093)で現在、約2カ月にわたって漢方を配合した期間限定メニュー「春意養生食療」を提供している。
香港の各レストランでは、健康志向の高まりとともに「体にいい」とされるクコの実やキクラゲ、ショウガなどの食材を使った薬膳料理が増えているが、同店ではこれらの食材に加え、冬から春への季節の変わり目に向けて、中医学の世界での季節の捉え方「二十四節気」に基づき、「体内の熱や湿気を取り、気の巡りをよくする効果がある」とされる春の食材を取り入れている。
メニューを考えたのは、内科や婦人科、はり・きゅうを専門とし、旺角のランガムプレイスホテル内「CHUAN SPA(チュアンスパ)」の専属中医師として活躍する梁寧茵さん。スープからデザートまで全メニューを「調五臟之春季養生湯」(=内臓の血行を整える)、「調養肝氣」(=肝臓の働きを整える)、「解春●」(=眠気解消)、「增元氣」(=体質改善)という4つのテーマに分け、自然界の法則を人の体に当てはめて考案したという。「中医学では、『天人相応』という哲学があり、天と人の仕組みを作っている要素は基本的に同じなので、その季節に合わせて食材を摂取すれば健康につながるといわれている」と梁さん。
メニューは、骨付き豚肉をパリパリと揚げ、甘く味付けをした梅干しやミニトマトと一緒に食べる「話梅醤燒骨」(168香港ドル)、エビのすり身でサトウキビ包み、オレンジソースをつけて食べる「蔗蝦伴橙香汁」(218香港ドル)など、「肝臓の働きを整える」という甘酸っぱい料理をはじめ、「体力を補う」と考えられる卵を練り込んだ皮で貝柱や豚肉を包んだ「富貴石榴球」(168香港ドル)、「リラックス効果がある」というキンモクセイや、「体を温める」とされるショウガを使った「薑汁桂花●」(38香港ドル)などを展開する。
提供は5月4日まで。営業時間は11時~23時(日曜・祝日10時~)
解春●=目へんに困。薑汁桂花●=米へんに羔。