9月8日に迎える中秋節(農暦8月15日)を前に香港では月餅商戦が始まる中、名門「ザ・ペニンシュラ香港」は今年も8月4日8時から5日間にわたり、オンラインで特別予約受け付けを始める。
1986年から販売を始めた「カスタード月餅」は伝統的な蓮の実とアヒルの塩漬け卵に代わるものとして考案され、以来、レシピが引き継がれてきた人気商品。今年はこの「カスタード月餅」シリーズに新しい試みとして、チョコレートを加えた「アーティスナルチョコレートカスタード月餅(Artisanal Chocolate Custard Mooncakes)」(380香港ドル)が登場する。「職人技の月餅」と名付けられた同商品は、繊細なココアショートブレッドの皮になめらかなチョコレートカスタードを組み合わせたもので、ペニンシュラ内のメートルショコラティエによって手作りで作られ、同ホテルを象徴するページボーイハット型の陶器製の器に2個を納め、300個を限定販売する。
同ホテル内の中華料理「スプリングムーン(嘉麟楼)」で作り続けられてきた月餅は、開業以来一番長く働き、今年すでに定年を迎えたイップ・ウィン・ワー (Yip Wing Wah)シェフが再び戻って指導しながら製造に当たっているという。定年まで毎日1日1000個~1万2000個の点心を作ってきたイップシェフは現在、「月餅マイスター」として今シーズンに数十万個の月餅製造の指揮を執る。
オンライン予約を受け付ける「ザ・ペニンシュラ」の月餅は全部で7種類。定番の「ミニカスタード月餅(Mini Egg Custard Mooncakes)」(8個入り、318香港ドル)、カスタード月餅と定番の蓮の実餡と卵の月餅4個ずつセットにした「ミニ月餅詰め合わせ(Assorted Mini Mooncakes)」(同、348香港ドル)、白蓮餡と黄蓮餡それぞれに2個ずつの塩漬け卵が入った「月餅詰め合わせ(Assorted Mooncakes)」(4個入り、460香港ドル)のほか、定番の蓮餡に4個の卵が入った月餅2個と、乾燥ホタテをXO醤(じゃん)で味付けしたものやヒマワリの種やパイナップルをペースト状にした餡、金華ハムと五目ナッツを組み合わせたもの、乾燥させたミカンの皮を使ったものなど8種のバラエティー豊かな餡を使ったミニ月餅を詰め合わせた「プレミアム月餅ギフトボックス(Premium Mooncake Gift Box)」(880香港ドル)も販売する。
オンライン予約は専用ページ(英語・中国語)で8日まで毎日8時から行い、各日の限定数に達した時点で締め切る。販売予定数は明らかにしていない。オンライン予約を完了した人は8月13日~9月7日まで「スプリングムーン(嘉麟楼)」で受け取ることができる予定。
10年前までは「スプリングムーン(嘉麟楼)」のみで販売していた同ホテルの月餅は現在、世界各地で販売する。香港では同ホテル内「ザ・ペニンシュラブティック」や香港国際空港内のDFSなど8カ所、日本ではザ・ペニンシュラ東京内や横浜・大阪・福岡など7店舗の「ザ・ペニンシュラブティック」のほか、シンガポールやカナダ、台湾など世界45カ所で販売予定だが、商品内容、商品構成はオンライン予約のものと異なる。