香港政府と民間の通信事業者は8月5日、市民や旅行者がスマートフォンやタブレット端末で簡単に接続できる公衆無線LANサービスの共同プロジェクト「Wi-Fi. HK」の提供を開始した。
ネット環境のインフラが整備された都市を確立し、香港の地位を高めることを目的として導入が決まったもの。これまでも香港国際空港をはじめ、公共性の高い場所ではWi-Fi使用が比較的可能であったが、今回のサービス提供開始により商業施設や観光スポット、カフェやコンビニエンスストアなど使用可能な場所が大幅に拡大される。登録の必要はなく、接続時間制限なしのスポットと無料接続が30分に限られるスポットがあり、各区域の管轄会社によって異なる。
サービス開始を祝い5日、ローンチセレモニーが行われ、香港政府のジョン・ツァン財務長官やグレゴリー・ソー商務経済発展長官が出席。グレゴリー・ソー長官は「いつでもどこでも、さまざまなモバイル端末が、容易にかつ無料でWi-Fiサービスを利用できることはとても重要」と同サービスの意義を強調し、「このスキームを推進するに当たり、Wi-Fiユーザーや一般市民・団体などの熱心なサポートがあり実現した」と振り返った。また、ジョン・ツァン財務長官は「この公衆向けサービスの利用促進を通じて、香港の公共のWi-Fiサービスがさらに拡張していくことを望んでいる」とコメントした。
サービス開始と同時にアプリも用意し、市民や観光客は自分がいる周辺のWi-Fiスポットを地区名や場所などを指定して検索できるようにした。土地勘がない人でも、アプリをダウンロードしていれば近くのスポットを地図などと一緒に表示させることもできるという。また、オフィシャルウェブサイトでもアクセス可能スポットが閲覧できるようになっている。
同プロジェクトに参画したのは香港政府のほかHKT香港ブロードバンドネットワーク、ハチソングローバルコミュニケーションズ、Y5ZONE、香港機場管理局、香港サイエンス・テクノロジーパークスコーポレーション、サイバーポートマネジメントカンパニー。
同プロジェクトでは今後も、政府系建物での無料Wi-Fi使用拡大を目指すプロジェクト「GovWiFi」の普及と平行して、病院などでも無料Wi-Fiが使えるように支援、拡大していく予定。