旧正月、イースター休暇を経て、香港人の日本渡航人数と本年度の明るい見込みが見えてきた。
4月24日発表の「日本政府観光局(JNTO)出典」の訪日外客数データによると、香港人の日本渡航者数は3月実績の数字で、5万9400人と前年同月比61.8%を記録した。2013年1月~3月ですでに14万7000人を記録していることから、今年は過去最高の2008年の55万人を超えることがほぼ確実の見込みとなった。
香港人で日本旅行に行く人は4人に1人が10回以上の渡航経験を持つ。75%がFITと呼ばれる個人旅行客で、最近では電車やレンタカーを駆使して旅行行程を組むパターンも多い。JNTO香港事務所所長の平田真幸さんは「以前から人気のある北海道、ここ数年数字が大きく増えた沖縄以外にも、関西方面への注目も高まっている。関西国際空港から行きやすい場所にも観光資源が豊富なため、今後の伸びも期待できる」とする。
日本人が観光するのと同じように、香港人が電車を使ったり、レンタカーを予約するなど高度な旅行プランを組めるようになったことで、これまで外国人観光客が訪れることが少なかった地域にも香港人が現れるケースはさらに増えそうだ。
また平田さんはこのような香港人の渡航スタイルの成熟度を受けて、「訪日旅行をもっと増やすためには、日本の皆さんが海外をもっと経験する必要がある」と指摘。「ATMやWi-Fi(ワイファイ)・言語など日本はまだグローバルスタンダードに追いついていない点もある。外国人の求めるものを分かってこそ」と、日本人の「おもてなし」の質向上を挙げ、「海外旅行にもっと行ってほしい」とエールを送る。
夏を前に、JNTOではさらなるプロモーションを仕掛け、香港をはじめ、アジアの旅行客を日本に呼び込む狙い。