新鮮で質の良いビールにこだわり、週末ともなると西貢で西洋人が溢(あふ)れるタパス店「CASA」(Shop C, G/F, 18 Woo Hop Street, 16 South Lane, Shek Tong Tsu, Western District TEL 5649 9816)が9月1日、香港大学駅B2出口にほど近い和合街にグランドオープンした。
自家製のパテやディップは5種類も。パンやニンジンスティックを添えて
2号店を出した香港大学駅周辺の「石塘咀」と呼ばれるエリアは、古くは花こう岩の採石場だった場所だが、現在はローカル市民のベッドタウンで、最近は外国人の居住も増えている場所。この街の大半の飲食店はローカル向けなこともあり、地元の西洋人や日本人も気軽に立ち寄り、集まることができる店を目指している。
同店は道路に面した入り口に5席のカウンターを設け、一見こぢんまりとしたバーのように見えるが、階段を降りると、打ちっ放しのコンクリートの壁にシンプルな長机と長椅子を設け、150人が収容可能でスタイリッシュに仕上げた空間が広がる。日本人とイギリス人が共同でオーナーを務め、「スペイン語で家を意味する店名『CASA』のように誰もがくつろげる空間を提供したい」という思いで名付けられた。スペイン料理のタパスに対し、「タパス風の」料理を出す居酒屋を目指し、タパスと居酒屋を掛け合わせた「tapa-kaya」がコンセプト。大規模なパーティーにも対応する。
特にビールにこだわり、9種類のビールはすべて生で提供。保存料ゼロのクラフトビールを中心に採用した。香港ブルワリーで醸造されたエール「ペールエール(PALE ALE)」や「アメリカンペールエール(AMERICAN PALE ALE)」、「インペリアルIPA(IMPERIAL I.P.A)」の3種類は、工場から直送し、鮮度を大切にする。ラガービールは「サッポロ(Sapporo)」や「スコットランドのクラフトラガー(Craft Rager)」などを用意する。どの大手ビール会社とも提携しないフリーハウスとして、「ビールのセレクトと味には自信を持っている」とオーナーの木内裕子さん。
メニューも一見西洋人向けであるが、枝豆(30香港ドル)やミニお好み焼き(70香港ドル)などもあり、随所に日本らしさも感じさせる。豚の腕肉や肩肉の塊をゆっくりと時間をかけて調理し、ほぐしたプルドポークを使用したミニバーガー「pulled pork slider」(70香港ドル、3個)や、牛ヒレの鉄板焼き「beef tenderloin」(120香港ドル)、ブルーチーズソースであえたカリフラワー焼き「buffalo cauliflower」(70香港ドル)、みそとタマリソースで味付けして炒めたポートベロマッシュルーム「portobello mushroom」(70香港ドル)などを黒いプレートに盛り付け、皆がつまみやすいタパス式で提供している。サービスすることは当たり前という考えから、10%のサービスチャージは取らない。
営業時間は12時~24時。