11月に香港進出を果たし、埼玉県川越市と川口市に店舗を構えるラーメン店「大門」が1月31日、同ブランド3店舗目となる「大門食堂」(Shop L 209, Aeon Tseung KwanO Plaza,Tseung KwanO Plaza Level 2, 1 Tong Tak Street, Tseung KwanO、TEL 2780-8800)を将軍澳のAEONスーパーマーケット内にオープンした。運営はエピュキュリアングループで、屯門店、沙田店に続く第3店舗。
香港でも激しい競争が続く日本ラーメン業界では、ラーメンへの要求が高くなるとともに、1杯の価格を100香港ドル近くに設定する店も多い。大門のラーメンは、日本のラーメンをもっと身近に食べてほしいという思いから、店舗を郊外に開店し低価格帯を実現した。「もともとラーメンは大衆の食べ物。高級料理といわれるものではない」と話すのは、オーナーの田中栄一さん。
5年ほど前から香港のラーメン人気を調査してきたが、「究極」や「特別」という言葉が押し出され敷居が高くなりすぎていると実感したという。田中さんはラーメン好きが高じて会社員を辞め、ラーメン店で修行し、さまざまなラーメンに出会う中で、「あらためてラーメンは味も価格も『大衆のもの』だ」と確信。低価格でも手抜きはせず、産地にこだわった小麦を使用し自家製麺を作り、スープは豚骨、鶏の骨、魚介、昆布などを使用し12時間以上煮込むなど、おいしいと思ってもらえるラーメンを提供できるようにしてきた。味が変わってしまうことを恐れ、香港では埼玉の店舗で作っているスープを急速冷凍で輸送し使用。「コストが高くかかってもこの方法で納得のいくラーメンを提供していく」と話す。
「子どもから大人まで食べられる優しい味」をモットーとする大門ラーメンは、豚骨ベースのスープに魚介や昆布、野菜を入れ油っぽさを感じさせない工夫をする。「大門ラーメン」(48香港ドル)、「大門チャーシューつけ麺」(68香港ドル)が同店の主力メニューで、麺はもっちり感のある中太麺で魚介味の利いたコクのあるスープが絡む。「台湾油そば」「大門油そば」(以上52香港ドル)は香港のみ販売。ラーメン以外にも定食や一品料理を提供し、「クリームコロッケ」(1個15香港ドル)も名物としてサイドメニューで用意する。ほかにも定食メニューや一品料理、丼ものもそろえる。
営業時間は11時~22時30分。