岐阜県は古田肇知事を筆頭に香港を訪れ、11月11日、香港の総合スーパーマーケット「一田百貨(YATA)」で県産農産物のブランド力向上に関する覚書を交わした。
先月リニューアルし、ソフトオープンしたばかりの沙田店の最初の日本フェアとしてブースを設けた「岐阜物産祭」は、旬の富有柿をメインに飛騨牛やアユの一夜干し、リンゴ、枝豆、お茶などを販売した。店頭では自ら県産品の試食を促すなど、香港の一般市民との交流も図った。YATAの黄思麗(スザンナ・ウォン)CEOは「飛騨牛や富有柿など岐阜県の農産物は香港の人々にとって大変魅力的なものばかり。覚書の締結を契機に一層PRしていきたい」とコメントする。
催事と併せてミシュラン星級のレストランで、県産食材を使った特別メニューも期間限定で提供した。「Kaiseki Den By Saotome」では先付けから高級ブランド柿で、糖度は20度を超えるものも多い「天下富舞(てんかふぶ)」を器に見立て、飛騨牛のヒレを白あえにしたもの、ホウレンソウ、シイタケ、キャビアで仕上げた先付けでスタートし、飛騨牛のサーロインの炙(あぶ)りをイチジクと合わせるほか、五月女シェフスタイルの卵のフォームをのせた飛騨牛サーロインをすき焼きで食べ、〆は県産米飯に白トリュフを豪快に使ったメニューなどで構成するコースを用意した。ほかにも飛騨牛を多く使う鉄板焼きの「Takumi By Daisuke Mori」、YATAと同じ郊外にある「Sakurada Japanese Restaurant」に加え、初めて中華料理「Duddell’s」でも飛騨牛を使った繊細なチャーシュー、カボチャや黒豆と一緒に飛騨牛をソテーしたもの、飛騨牛を使ったチャーハンなど飛騨牛づくしのメニューを組んだ。
観光との連携も求められる香港市場に向けては、一般やメディアを集めて体験型のプログラムも実施。日本ファンをSNSで募集し、多くのユーザーを持つ香港のブロガーやメディア関係者ら約80人を招待し、観光情報の紹介だけでなく、演舞の披露や、大見えを切るなど動きのあるパフォーマンスで会場を沸かせた。
ほかにも、高級生花店で輸出拡大に向けて県産花きの展示会を開き、バラやヒマワリを売り込んだりするなど、業界を超えて精力的に働き掛け岐阜のプレゼンスをアピールした。