学ぶ・知る

日本政府、中国からの入国者を強制待機へ 香港・マカオを含むことへの疑問と動揺広がる

自宅勤務も徐々に終わり、通常生活に戻りつつある香港

自宅勤務も徐々に終わり、通常生活に戻りつつある香港

  • 809

  •  

 世界的に新型肺炎の拡大が続く中、日本政府は3月5日夜に対策本部の会合を開き、「水際対策の抜本的強化に向けた新たな措置」として香港とマカオを含む中国・韓国からの入国者に対する検疫強化などを内容とする水際対策の抜本的強化に向けた新たな措置を発表した。6日午前には「あくまで要請」で強制力がないとの発表もあったが、3月9日以降、香港在住の日本人も日本に戻る際、国が指定する場所で14日間待機してから国内を移動できることになる公算が高く、香港内でも疑問と動揺が広がっている。

 日本各地でクラスターが発生し、連日2桁の感染者増が続く日本。2月27日には政府が3月2日から全国全ての小中学校に対して一時休校を要請することに発展した。そうした中、日本政府が水際対策の見直しを図ることになったのが今回の措置で、3月9日午前0時から3月末日までの間に適用される。状況次第では延長も可能だ。

[広告]

 検疫の強化においては、「中国及び韓国からの入国者に対し、検疫所長の指定する場所で14日間待機し、国内において公共交通機関を使用しないことを要請」するとしている。詳細は決定していないが香港在住の日本人も含まれる方向だ。航空機に関しては成田国際空港と関西国際空港に限定しており、検疫所長が指定する場所は両空港からアクセスがしやすい所になると推察される。ダイヤモンドプリンセス号で問題となった船舶については旅客の運送を停止するよう要請した。

 ビザに関しては「香港及びマカオ並びに韓国に対する査証免除措置を停止」としており、香港パスポートの所有者はビザ無しで日本を訪れることができなくなり、香港人の間で落胆の声が広がっている。

 2019年に日本を訪れた香港人は過去最高の229万人を記録していることもあり、香港のメディアはこの事態を大きく取り上げている。日本旅行に強みを持つ旅行代理店の一つ「縱橫遊」は3月9日以降に10以上のツアー(計約300人)の催行を予定していたが全て中止に。キャンセルに伴う諸費用は免除するとした。香港旅遊業議会(Travel Industry Council of Hong Kong)によると少なくとも85団体、1600人以上が影響を受けるとしている。

 2月第1週、医療関係者が中国と香港との税関を全て閉鎖することを求めデモが発生したが「税関を閉じないから香港経由で中国人が入国するのを恐れたのでは」と話す香港人、「日本の方が感染者が多いのだから日本からの旅行者を制限をした方がいい」「日本の判断を支持する」など反応はさまざまだが、マスク率はほぼ100%、手洗いはもちろん、アルコールを持ち歩きこまめに消毒するなど意識を高く感染しないように生活を送る香港人たちにはショックが大きい措置となった。

 3月6日現在、香港での感染者が105人、死亡者は2人。北角(North Point)でクラスターが発生したが日本とは違い、香港は基本的に感染経路をたどることができる。マカオに関しては中国人へのビザの制限のみならずカジノの一時閉鎖など世界で最も厳しい対策を施した結果、3月3日までの28日間もの間、新規の感染例はゼロとなっており、特にマカオ人に対して入国を制限するのは疑問が残る。入国に制限を加える根拠は何なのか説明がないと日本人を含めた香港居民は納得しづらいという声が大きい。