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香港政府、規制を段階的に緩和、出口戦略が本格化 市民に配布するマスクには賛否両論の声

林鄭月娥(Carrie Lam)行政長官は6日、香港内のマスク工場を訪問

林鄭月娥(Carrie Lam)行政長官は6日、香港内のマスク工場を訪問

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 林鄭月娥(Carrie Lam)行政長官は5日に開いた記者会見で、公共の場で5人以上集まることを禁止する「限聚令」と呼ばれる規制について、これを9人以上に緩和し、休業を指示されていたゲームセンターなどを再開、繰り返し利用可能なマスクを配布するなど、出口戦略を本格化させる。

 7日現在、累計感染者数が1045人、死亡者は4人、回復者944人となっている。林鄭行政長官は「5月5日までの過去16日間で香港内からの新規感染者はゼロで、海外を含めると16日間のうち10日は新規感染者ゼロに抑え込めている」とした。

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 飲食業への制限措置などを盛り込んだ「第599F章(Cap. 599F)」と公共の場所で人々が集まることを禁止する「第599G章(Cap. 599G)」が7日に期限を迎えるが、さらに2週間延長して5月21日まで実施するとした。ただし、コロナウイルスの感染拡大が落ち着いてきたため、いくつかの規制緩和も盛り込んだ。

 公共の場で5人以上集まることを禁止する「限聚令」と呼ばれる規制については9人以上に緩和する。レストランに定められた5つ規制については1テーブル4人までを8人までに緩め、ほかの4つの規則は継続する。営業停止となっていたバー、ゲームセンター、フィットネスジム、映画館、エステ、ネイル、マッサージ、麻雀などは8日から営業再開が可能となる。ただし、バーはライブバンドの演奏やダンスパフォーマンスは禁止し、ジムでは全員にマスク着用を義務付ける。映画館はマスク着用で、座席は1席ずつ空けて間隔を取るほか、エステやネイルであれば施術時にマスクにフェースシールドを着用するなどして防護策を講じることなど、細かな防疫対策の規定が盛り込まれている。

 一方、サウナ、カラオケ、パーティールーム、夜総会などは5月21日まで継続して営業停止となる。

 学校の再開については、(1)中学3年生~5年生=5月27日再開、(2)小学4年生~中学2年生=6月8日再開、(3)幼稚園K3~小学3年生=6月15日再開、(4)幼稚園K1・K2=今学期は開園しない。私立学校と国際学校=は段階的に5月20日から開校を予定するとした。

 8億香港ドルを費やして香港のIDカード保有者全員を対象に、手洗いで60回洗濯できる高性能マスク「銅芯抗疫口罩+(CuMask+)」を1人1枚配布することも決まった。5月6日~6月6日に専用のサイトで申し込むと約2週間で自宅に送付される。しかし、幼稚園児と小学生は、各幼稚園と各校に1人2枚のマスクを配布するため申請は不要。登記しなかった人には6月末から郵便局で受け取ることも可能にする計画だという。

 このマスクは香港政府の創新科技署(ITC)と理工大学が合弁で設立した「香港紡織及成衣研發中心(HKRITA)」が開発したもので、6つの層から成っている。微小粒子捕集効率(PFE)や細菌ろ過効率(BFE)はアメリカに本拠を持つ世界最大・民間・非営利の国際標準化・規格設定機関「米国試験材料協会(ASTM)」が定めた医療用マスクの規格である「F2100」のレベル1を満たすとしている(レベルは1から3まであり3が最も性能が高い)。

 マスクについては会見で記者から「支給が遅すぎるのでは」という質問があったほか、マスクは香港で生産されるが「具体的な製造工場はどこか?」という問いに香港政府が公開を拒否した。現実的な香港市民らしく「もらえるものはもらう」という意見、逃亡犯条例改正案に絡めて「個人情報を提供しなければならないのか」など、すでに論争の的となっている。