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香港市民、新型肺炎の無料検査開始 500万人採取目指すも予約は全人口の1割以下

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 香港政府は9月1日、新型肺炎対策の一環として、感染の有無の無料検査を市民に提供する「普及社區檢測計劃(Universal Community Testing Programme)」を香港18区内にある施設141カ所で始めた。検査予約は8月29日から受け付けているが、9月1日午後までに61万5000人が予約し、初日は12万6000人が検査を受けた。

香港内の各会場に用意されたブースで1人ずつ検体を採取

 日本では「PCR検査」という名前で知られているが、香港においてはPCRという言葉は使われずただ検査と表現される。2日現在、累計感染者数が4831人、死亡者は92人、回復者4401人。新規感染者は8人となっているが、感染者が約75%は7月以降に確認されている。そこで、無症状の感染者を発見して感染経路のさらなる断絶を図ろうというのが香港政府の意図だ。この政策を実施するために香港政府の70を越える各部局から4000人の公務員を動員する一大プロジェクトとなっている。

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 そのため、香港政府は検査体制の拡充を中国政府の協力を受けながらプロジェクト進めた。中国資本である「金域検験(香港)(KingMed Diagnostics (Hong Kong)」「凱普醫検、華大基因(BGI)」の協力を得て、西営盤(Sai Ying Pun)にある中山紀念公園体育館(Sun Yat Sen Memorial Park Sports Centre)内に仮設の実験室を建設。これにより1日の検査能力とされた1日1万2000件を50万件に飛躍的に増大させた。

 新型肺炎の影響でほとんどのイベントが中止となったことを受けて、中環(Central)の大会堂(City Hall)や九龍湾(Kowloon Bay)の九龍湾国際展貿中心(KITEC)などを活用するほか、学校、各地区にある市政大廈や体育館などで行われている。この検査のためにすでに6000人の医療関係者が検査を実施した。検査者は防護服、フェースマスク、マスクなど完全防備で行われる。

 検査対象はIDカードを持つ全ての香港居民で6歳以下は受けられない。無料検査は1人1回のみ。検査を受けるには予約が必要で、まず政府の専用予約サイトに行き、氏名、ID番号、携帯の電話番号を入力する。その後、希望する検査会場と日時を選択。時間は8時から20時までだが、8時、8時30分、9時、9時30分と30分おきの予約となる。ただし、13時30分~14時30分は検査場の消毒作業をするため予約できない。入力が終了し正しく予約が行われれば携帯電話のショートメッセージに予約確認の通知が届く。

 検査当日は、検査2時間前には食事はしないことやアルコールの摂取も不可で、うがい薬なども使えない。たばこ、チューイングガムなども検査結果に影響を与えとして30分前から吸ったり、かんだりしないことを推奨している。会場到着後、入り口で体温検査を行い、受付でIDカードを提示し予約情報などを照合する。会場内に案内され一定の距離が取ってある椅子に座って待機する。検査員に呼ばれたらブースに入り説明を受ける。今回の検査では唾液ではなく検査棒を使い、鼻とのどの2カ所から検体を取って終了となる。検査機械は日本製のものが採用された。

 検査結果は陰性であれば3日以内に携帯電話のショートメッセージに通知が来る。陽性であれば衛生署(Department of Health)から連絡が届き、公立病院での入院が手配され隔離入院することになる。無料検査は9月7日まで実施する予定だが、希望者が多ければ最大で1週間延長して9月14日まで行う。

 香港政府は500万人が受けることを前提に態勢の拡充を推進したが、実際に予約したのは61万5000人で、香港の人口を750万人として計算するとわずか8.2%の香港市民しか検査を受けない。これは検体が検査の目的でDNAの情報が収集され、検査以外のことに利用されるのではないかといった疑念が高まっているためだ。香港政府は、システムとして検査官は誰の検体か名前を知ることができず、検査結果が出た時点で削除すると否定している。

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