今年5月に始まったICC(環球貿易廣場)の新しい光のアトラクション「The ICC Light and Music Show」が10月7日、秋バージョンに差し替えられた。
同イベントは「単独建築物で実施される照明と音楽の世界最大のイルミネーション」としてギネス記録に認定されており、毎晩19時45分からと21時からの4分間、1日2回、ビルの外壁に光の芸術が映し出される。ICCは高さ490メートル、118階建てで、イルミネーションの総面積は約5万平方メートル。地元メディアによると、60万個のLEDライトを使っているという。光度を調節することで流れるような表現も可能だ。
このショーのライトアップのデザインは、東京スカイツリーのプロジェクトと同じく、日本人照明デザイナー戸恒浩人さんが手掛けている。秋バージョンは香港の小学生たちが作ったストーリー「Hopeful Autumn」を基に、1秒間に30コマの画像をLEDライトにプログラミングし完成させた。木漏れ日の光や紅葉するカエデの葉を使うことで秋の風の音がたなびき、おとぎ話のような世界を演出。他のシーンでは秋空を舞う凧(たこ)や移動する鹿、穴から顔をのぞかせるモグラなどが次々と登場し、収穫の秋と冬に向けての準備を表現しているようだ。音楽も徐々に盛り上がっていくような演出で、実りある収穫の秋を願うメッセージが込められる。締めくくりは「●Hong Kong」のメッセージ。(●はハート)
小学生が考えたストーリーを基に生まれた作品について、Sun Hung Kai Real Estate Agencyのクリス・ファン(Cris Fung)さんは「子どもは好奇心でいっぱいで、われわれ大人が見落としがちな驚く瞬間をとらえようとしている。彼らこそが将来を背負って立つ香港の望み」と話す。
鑑賞のベストスポットは、IFC(国際金融中心)のP3・P4階にあるパブリックテラス。同スペースではテーマの音楽を聴きながら、流れるライトショーを鑑賞できる。他の場所でもスマートフォンで事前にアプリをダウンロードすれば、携帯電話から音楽を流すことができるだけでなく、アプリを立ち上げておけば自動的に時間になると音楽を流すように設定することもできる。