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香港、ペットボトルなどプラ容器処理についての公開諮問開始 回収自販機設置目指す

香港で試験的に設置をするペットボトルなどプラスティック容器の回収用の機械。

香港で試験的に設置をするペットボトルなどプラスティック容器の回収用の機械。

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 香港政府は現在、ペットボトルなどのプラスチック容器について生産者の責任について明確化する「塑膠飲料容器生産者責任計画(Producer Responsibility Scheme on Plastic Beverage Containers / PPRS)」の策定について公開諮問を行っている。

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 2009年~2019年の10年間で香港の人口は7.5%増加したが、ゴミは36%増加している。1万1057トンの固体廃棄物で、固体廃棄物全体のうち21%がプラスチック容器、ポリ袋、プラスチックのフォークなど。さらに細分化するとポリ袋が33%、使い捨てのフォーク、スプーン、ナイフが9%、プラスチック容器が5%と、この3つで全体の47%を占めている。

 2019年の香港におけるプラスチック容器は約15億5000万個、3万8700トンが廃棄された。香港市民1人当たり年間200個のペットボトルなどを捨てている計算になる。この捨てられたペットボトルのうち90%はリサイクル可能なもの。香港は今でも分別収集をしない状況が一因でゴミの減量化に苦しんでおり、限界が近づくゴミの堆積場について今後どうするのかというのが長年の社会問題になっている。

 香港政府は環境に優しい社会の実現を意識し、2035年までに資源循環型の社会を目指す計画「香港資源循環藍圖2035(Waste Blueprint for Hong Kong 2035)」を公布した。PPRSはそれを実現するために、飲料用プラスチックボトルを製造する企業に対して責任をもって対をしてもらおうというものだ。

 既に2009年から環境についての条例が少しずつ制定されているほか、リサイクルステーションの拡充など、ようやく香港市民の間でも徐々に「持続可能な社会」について関心が高まりつつあることも計画推進を後押しする。実際には、60カ所に自販機のような回収用の機械を設置してプラスチック容器を回収する。容器1個当たり10セント程度を電子マネーで還元し、1回当たり1人30個までという内容。

 公開諮問は、容器の大きさはどこまでとするのか? スーパー、公共施設など、どうした場所に回収用の機械を設置するべきか? 還元する金額は10セントを提示したが、実際にはいくらが妥当なのか? など全10問。ほとんどの質問は賛成から非常に不賛成までの5段階評価中から選ぶなど簡単に回答できるように工夫する。最後の10問目は2つのことについて何か意見や建議があれば記述式で書くスタイルとなっているため、特に意見が無ければ回答の必要はない。

 政府に意見を表明したい人は指定のサイトで回答するか、質問票をダウンロードして指定の宛先に郵送する。3月18日、4月15日・23日には討論会も行う。公開諮問は5月21日まで。

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