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香経の上半期PV1位は「カキをメインにした居酒屋」 変わらぬ香港からの日本愛と消費力

レストランのオープンやミシュランなどグルメ関連の記事も多くランクイン

レストランのオープンやミシュランなどグルメ関連の記事も多くランクイン

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 激動の香港で、2021年上半期で香港経済新聞の上半期PV(ページビュー)ランキング1位に輝いたのは、カキをメインした居酒屋のオープンについてのニュースだった。

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 香港での新型コロナ肺炎は、海外と比べると、香港での感染者が約1万2000人とある程度封じ込めている。一方で、帰国者への隔離、地場感染が出た場合の近隣住民や出勤者への強制隔離を含めた厳しい規制など、多くの規制に縛られてきた。ワクチン接種ついては1回目の接種をした人が30%を超えたものの、規制解除はワクチン接種とセットで検討されている面も多く、香港への入境は日本が属しているグループBに関してはワクチン接種2回完了、抗体保有などを対象に隔離期間が7日に短縮されることになり、香港政府は今後、非香港居民も7月中にも始めたい考えを示している。

 2位には、新しくオープンした天ぷら店のニュースがランクインした。4位にも同じく高級すし店オープンのニュースがランクインするなど、日本に帰ることができない中、香港で少しでも「本物」を楽しみたい欲求が反映された形だ。ランキングは、今年1月1日から6月30日までに配信したヘッドラインニュースのPVを集計したもの。上位10位のランキングは以下の通り(カッコ内は掲載日)。

1. 香港にカキをメインにした居酒屋「Kagura牡蠣小屋」 生ガキや蒸しガキをお好みで(5/13)

2. 香港・中環に「天ぷら次郎」 一つずつカウンターで揚げるおまかせスタイルで(2/21)

3. 香港は12人に1人が資産1億円以上の億万長者 10万人以上増え過去最高(5/8)

4. 香港・中環に高級すし店「鮨たけのり」 世界を渡り歩いた職人が握る創意工夫を凝らしたすし(3/17)

5. 香港政府、入境制限の条例を9月30日まで延長 柔軟な運用の余地残す(2/27)

6. 「アジアのベストレストラン50」発表 広東料理「大班楼」が香港として初の首位獲得(3/30)

7. 香港政府、強制隔離緩和にワクチン接種を必須条件に 日本からは2回の接種が必要(5/10)

8. 香港ビザについて悩みを抱える人、顕在化か 香港政府は厳しい措置を延長(1/7)

9. 香港市民のイギリスパスポート(BNO)旅券として認めず(2/1)

10. 「ミシュラン・ガイド香港・マカオ版」刊行 3つ星7店、日本食材使う店が多くノミネート(1/28)

 3位は、香港の資産保有率の高さをニュースにしたものがランクインした。高級なものを消費できるだけの資産があり、物価の高い香港の中でも多くの店がオープンしていることも裏付けている。3位以下にも、アジアベストレストランやミシュランについての記事など、高価格帯のレストランに興味を持つ人が多いニュースが並ぶ。

もう一つの傾向として、新型コロナ肺炎に関連するニュースが続々とランクインした点。入境制限の条例を9月末まで延長した(5位)一方、強制隔離緩和にワクチン接種を必須条件にすると発表された(7位)ことなど、香港への入境に興味をもつ人が多くアクセスしていることが分かる。長期の強制隔離などが強いられるため、デモに続くコロナの状況で、香港ビザがあるにもかかわらず長期にわたり来港できていない人も悩みを抱えていることが分かり(8位)、日本からのアクセスも増加した。

 通常ランキングに入ることが多い香港の都市計画に関するニュースはランクインしなかった。香港市民のイギリスパスポート(BNO)旅券として認めない決定が行われたり(9位)、先週の記事であることからアクセスランキングには反映されていないものの、香港を代表するメディアの一つだった「アップルデイリー」廃刊までの流れは大きな注目を集めている。

 7月1日、香港は返還から24年を迎えた。香港への「国家安全法」に伴う情勢の中、昨年以上に焦燥感や脱力感も漂う香港の中だが、依然として高級店は予約が取れないことも多く、新規店舗のオープンも多い。香港人が持つ力の一つでもある「消費力」は衰えておらず、この力は、今は現地で発揮され、渡航が解禁されれば日本各地での消費につながる可能性も高い。下半期も、香港コロナ関連の情報をしっかりと伝え、ここ香港で生活する人にも、香港への入境を考えたり、進出を考える人にとっても役立つ日々のニュースをいち早く伝えていきたい。

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