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香港・中環に高級すし店「鮨たけのり」 世界を渡り歩いた職人が握る創意工夫を凝らしたすし

香港に再び戻った原さんはオリジナリティあるおまかせを提供

香港に再び戻った原さんはオリジナリティあるおまかせを提供

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 中環の士丹利街に2月17日、高級すし店「鮨(すし)たけのり」(Shop No.1, UG/F, Malahon Centre, Nos. 10-12 Stanley Street, Central、TEL 2327 0168)がグランドオープンした。

ネタの良さを生かして提供する大トロ

 こぢんまりとした店内にはL字型のカウンターを備え、7席程度を確保した。個室も含め、店内の全てをすし職人・原たけのりさんの目が行き届く範囲に収める。原さんが握るすしは「7割が江戸前で、2~3割がフュージョン」とだという。背景には横浜出身の原さんが日本国内でも東京、大阪など異なるエリアでの経験を持ち、海外も1997年の返還当時に香港で勤務していた思い出を胸に、ベトナム、ドイツ、マレーシア、タイを経て、再び香港で自身の名前が入った店をオープンするに至ったことにある。「つけ台に絵を描くように、ストーリー性も考えている」という原さんのすしは、つけ皿にも自身の書「鮨たけのり」が入ったものをオーダーしたほど。

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 メニューは「おまかせ」のみで、ランチが全18品の「端」(880香港ドル)と全22品の「源」(1,380香港ドル)、夜は全28品の「雅」(3,000香港ドル)と24品の「夢」(2,000香港ドル)だが、基本的には旬のものと当日の仕入れの状況で日々、すしネタは変化し、刺し身、焼き物、蒸し物、握り、巻物、わん、デザートで構成する。

 旬や入荷によるものの、例えばコースの最初に、スダチを口に含んでもらい、アカモクをショットで提供するメニューを出すが、これは食欲を増進させ、その後のコースを楽しむために「最初にもってきた」という。

ギンダラは西京焼きではなく、しょうゆとみりんを1対1で割ったタレに漬け、ユズなども香らせて焼く「ゆうあん焼き」で提供するのは、「他の食材で西京みそを使いたいため」だという。原さんを特徴付けるメニューの一つでもあるのが「あん肝の西京漬け」の小鉢。カツオ餡(あん)ベースにクリーミーさもあるあん肝を載せて提供するが、西京漬けにすることで「臭みのない一品に仕上げる」という。

 中トロや大トロなどのマグロは信頼を寄せる豊洲の仲買の腕次第であることから、あまり手を加えず、そのまま提供することが多いという。ウニも同じように仲買への信頼が必要な食材で、これは軍艦に何層にもウニを積み重ね、ボリューム感のある状態で提供する。

 ほかにも天草の釣りアジは、一本一本直接釣り上げることで魚へのストレスが低いものを使うなど、「魚一匹のストーリーも考えて選ぶ」という。さらに、ブラックマッシュルームと生ハムのフリッターという風変わりなメニューや、ブリのユッケには「ごま油」を使うなど工夫を凝らす。雅のコースで提供する「うにごはん」には、ベースのウニご飯にさらにウニを載せ、キャビアや金も載せ「豪華に」仕上げる。
穴子は2貫を食べ比べできるようにと、頭の方は油が強めなため塩とユズで、身の方にはタレをつけて提供する。のりの香りもしっかりと強調する巻物は、ノドグロか穴キュウ、トロタクかネギトロのいずれかのものを提供する。

 米は長年、福井産のコシヒカリを使ってきたと言い、香港でも同じものを採用する。「でんぷん質も多い米は砂糖を使わなくても甘みもあるため、米の味もしっかり味わってほしい」と話し、「攻撃的な多少多めのしゃりで口に米本来が持つ甘みも広がるようにした」と加える。

 「すし業界ではちょっと邪道と言われることを正当化できるようにしたいし、何よりお客さんを楽しませたい」と意気込む。「最初に来たお客さんに対してはまずオーソドックスな形のものを提供するが、段々と好みやお酒の楽しみ方など分かっていくうちに、相手を驚かせるような勝負を一回一回仕掛けていきたい」と意気込む。

 営業時間は、ランチ=12時~16時、ディナー=19時~23時。現在は新型コロナ肺炎措置に準じて営業中。

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