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九龍バスが香港長距離バス運行開始 元朗―銅鑼湾など2路線、プチぜいたく仕様で

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 香港最大のバス会社「九龍巴士(KMB)」は7月18日、「元朗(西)(Yuen Long (West))」―「銅鑼湾(天后)(Causeway Bay(Tin Hau))を結ぶP968と「兆康站(北)(Siu Hong Station(North))―「湾仔(北)(Wan Chai(North))をつなぐP960の2区間で、座席を豪華にするなど「快適性をワンランク上げた」長距離路線バス「新型長途巴士服務(New Long-haul Bus Service)」の運行を始めた。

座席も快適に過ごせるように刷新

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 香港政府は2017年、「公共交通策略研究」として新しいバスサービスの提供について研究を始めた。その中で、長距離路線バスについて、座席レベルを上げること、バス停の数を減らすこと、料金を値上げするなど、いくつかの選択肢があるアンケート調査を実施した。その中で、65%は通常よりも高い料金のサービスを受け入れるという回答があったほか、半数近くが元の料金の30%増までであればバスの利用を考えるという答えなどがあった。こういった調査結果を受け、KMBは長距離路線で運行することを決定した。

 新界(New Territories)北西部の中心地である元朗区や屯門区は人口100万人以上を誇る。6月27日には尖東(East Tsim Sha Tsui)を経由して馬鞍山(Ma On Shan)を結ぶ屯馬線(Tuen Ma Line)が完成して九龍地区と新界の東エリアへのアクセスは簡単に向上した。しかし、元朗区と香港島(Hong Kong Island)とを結ぶ地下鉄はいまだにないことから、両地区を結ぶ路線はKMBにとっても重要ルートの一つであり、今回この2路線での採用に踏み切った。

 2路線に導入されるバスは、1階部分=29席とトイレ1室、2階部分=51席となっており、立って乗ることはできない。全ての座席は座り心地を重視した座席に変更されているほか、無料のUSBの充電装置を完備しており、携帯電話などの充電ができる。併せてバス内では無料のWi-Fiサービスが提供され、全ての窓にカーテンを付けるなど、日本の長距離バスとあまり変わらない車内に仕上がっている。エンジンはヨーロッパの排ガス規制ユーロ6に対応するほか、ドライバーに疲労があるかどうかなどを感知する装置など安全に運行できるような工夫が施す。

 出発頻度は、P968=20分~45分間隔、P960=30分~45分間隔でスケジュールし、高級路線ということもあり、それほど頻度は高くはない。料金は、P968が全行程で36.9香港ドルと通常のバス料金より約49.4%、12.2香港ドル分高くなった。P960は49.8%、10.9香港ドル高い32.8香港ドルに設定した。始発は屯門や元朗など、郊外を出発するバスが6~15時台、都心から郊外に戻るバスは10時台にスタートし、最終バスを24時台に設定するなど、利用者が使いやすいようにした。香港島に乗り入れたバスは、上環、中環、灣仔、銅鑼灣などに停車する。月極パスと2香港ドルの優遇措置は適用されない。

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