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カナダの研究所、香港を経済自由度1位に 今後のランキングに懸念も

経済自由度1位にランキングするも、来年以降の調査に懸念

経済自由度1位にランキングするも、来年以降の調査に懸念

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 カナダ西部のバンクーバーに本部を置く公的なシンクタンク「フレーザー・インスティテュート」は9月14日、経済自由度を評価する「世界の経済自由度2021(Economic Freedom of the World: 2021 Annual Report)」において香港が8.91ポイントで1位にランクインしたと発表した。2位は8.81ポイントのシンガポール、3位は8.56ポイントのニュージーランドだった。日本は7.98ポイント18位、中国は6.53ポイントで116位にランクインした。

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 「世界の自由度ランキング」は1996年に始まり、今回は2019年の経済状況を評価したランキング。2020年は新型コロナウイルスの影響で世界各国・地域の各種データがまだそろい切れておらず、「2019年が包括的なデータの利用ができる最新の年である」と同インスティテュート。

 評価は、「政府のサイズ」「法制度と財産権」「通貨の健全性」「国際貿易の自由」「レギュレーション」の5つの分野を各10点満点で評価し、世界162カ国・地域を対象とした。

 香港は、「政府サイズ」において8.42ポイントで9位、「法制度と財産権」は7.53ポイントで20位、「通貨の健全性」は9.74ポイントで12位だった。「国際貿易の自由」では9.56ポイントで1位、「レギュレーション」は9.29ポイントで同じく1位と2つの分野で世界1位を獲得した。またレギュレーションは「クレジット市場」、「労働市場」、「ビジネス」の3分野にも細分化されており、「クレジット市場」では9.9と10位、「労働市場」では9.4ポイントで1位、「ビジネス」は8.6ポイントで5位と、全てトップ10入りを果たした。

 同インスティトュートは香港の「法制度と財産権」が2018年の7.87ポイントから0.34ポイント下落した点を特に懸念していた。

 世界には経済自由度を表す指数はいくつかあるが、毎年1月下旬から2月の上旬にかけてアメリカのシンクタンク「ヘリテージ財団」と経済紙「ウォールストリート・ジャーナル」が「経済自由度指数(Index of Economic Freedom)」は2021年から香港は香港国家安全維持法が制定された影響でランキングから除外されている。今回の同インスティテュートも2019年の指標に基づくランキングであり2020年に制定された香港国家安全維持法の面が反映されていない。リポートでも中国本土の干渉に懸念を示しており、2020年のランキングでは、香港が適用除外になるのか、ランキングを下げるのか、それともトップを維持し続けるのか注目される。

 一方、日本は7.98ポイントで18位だった。「政府サイズ」=6.06(122位)、「法制度と財産権」=7.67(18位)、「通貨の健全性」=9.54(33位)、「国際貿易の自由」=8.31(40位)、「レギュレーション」=8.34(14位)となった。細かなレギュレーション方面では「クレジット市場」=8.7(82位)、「労働市場」=8.2(11位)、「ビジネス」=8.2(20位)という数字が並んだ。

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