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アジア太平洋の地価、香港・尖沙咀が最も高い地区に 銅鑼湾が1位から転落

世界一の地価となった尖沙咀の広東道

世界一の地価となった尖沙咀の広東道

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 アメリカのシカゴに本部を置く世界有数の不動産サービス会社「クッシュマン&ウェイクフィールド」が4月22日、地価リポート「Main Streets Across The World」のアジア太平洋地区版を発行した。2020年第4四半期では尖沙咀(Tsim Sha Tsui)の広東道(Canton Road)が1平方フィート当たり1,607米ドルでトップになった。

 クッシュマン&ウェイクフィールドは1988年以来、毎年世界中の不動産価格を調査・発表しており、今回はアジア太平洋にある124の小売地区を調査した。

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 新型コロナウイルスは世界中の観光業の影響を与えたが、2019年1月~10月の渡航者数と2020年1月~10月の渡航者数を比較すると全世界で72%減少したとしている。地区別では、アジア太平洋で82%減、ヨーロッパが69%減、中東が73%減、アフリカが69%減、北アメリアが68%減、南アメリカが69%減となり、アジア太平洋が最も大きなダメージを受けた。観光都市の地価は平均で16%下がり、そうでない都市は8%減少した。

 その一方でe-コマースが伸びたことは知られているが、例えば、ブランド品といった高級品のオンラインでの購入は、2019年は12%のシェアだったが2020年は23%に増加した。オンライン市場規模は世界全体で3兆9,000億米ドルの規模を誇るが、そのうちアジア太平洋地域は2兆5,000億米ドルと最大のシェアを占めている。

 地価は124地区のうち3分の2が下落した。香港を見ると、中国本土からの観光客がほぼいなくなったため前年比38%も価格が下がった。順位は1位の尖沙咀の1,607米ドルだが、これは広東道(Canton Road)を指しており同35%下落した。2021年の最初の2カ月間で空室率が17.7%に達するなど、下落がいつ止まるのかは不透明な状況だ。

 2位は銅鑼湾(Causeway Bay)の1,481米ドルで、前年比で43%の大幅減。これにより2014年第2四半期より香港ナンバーワンの地位から滑り落ちた。特に、羅素街(Russell Street)にあったプラダの旗艦店がなくなったことは象徴的な出来事だが、新型コロナが落ち着きを見せなければ、尖沙咀同様にさらなる下落が予想される。

 3位には銀座が同5%減の1,223米ドルとなった。つまり、尖沙咀の地下がこれだけ下落しても銀座よりも依然として3割ほど高いとも言え、いかに香港の地価が尋常ではなかったことが分かる。

 4位にはシドニーのPitt Street Mallが同9%減の974米ドル、5位には新宿が同6%減の966米ドル、6位には表参道が930米ドルと続いた。なお、表参道に関しては地価の増減はなかった。

 香港では10位に654米ドル(同42%減)の中環(Central)、13位に旺角が564米ドル(同33%減)がランクインした。ドイツのスポーツ用品メーカー最大手のアディダスは中環の皇后大道中(Queen’s Road Central)にある旗艦店を今月、閉鎖した。月434万米香港ドルの家賃が大きな負担となったと推測されている。

 今後の地価や経済については、2021年は2020年よりは明るい兆しが見えているほか、ワクチンの接種が経済回復の助けになるだろうとした。一方で、裕福層だけがリバウンドし、それ以外は状況があまり上向かず、K字回復になる可能性も指摘している。

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