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新型肺炎、7割が世帯収入減で支払に不安 外食営業制限でスーパーは好調

新型コロナ感染拡大は落ち着きをみせるも、経済的には大きなダメージを受けた香港

新型コロナ感染拡大は落ち着きをみせるも、経済的には大きなダメージを受けた香港

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 世界的に感染拡大が収まる気配が見えない新型コロナウイルスだが、香港は2003年の重症急性呼吸器症候群(SARS)の経験を生かして世界と比べると感染拡大を抑えているものの、それでも長期に渡る感染対策の影響で経済的ダメージが今も続いている。現在の経済状況をまとめた。

 新型コロナ対策で大きな影響を受けた業界の一つが外食産業だ。現在は22時まで飲食店内での食事が認められているが、それまでは18時や21時までと厳しい制限が加えられ、閉鎖や経営危機にひんする店が続出した。一方で、香港日清の2020年6月期の中間決算では自宅での滞在時間が増えたことで売り上げが前年同期比で15.9%増の17億3,539億香港ドルを計上。香港で日本産品を中心としたスーパーマーケット「一田(YATA)」は日本のコンビニエンスストアの要素を混ぜたコンセプトの新業態「KONBINI便利ストアby YATA」をコロナ禍の最中にオープン。その一田の2020年の上半期の売り上げは2前年同期比で16%増、スーパーマーケットだけで見ると39%増だったことが明らかになるなど、「外食天国」の香港が家での食事にシフトしていることが鮮明になった。

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 小売業も厳しい。化粧品小売大手の卓悦(Bonjour)の2020年6月期の中間決算で売上高は前年同期比59.7%減の3億3,300万香港ドルと厳しい結果となった。香港政府統計処は9月1日、7月の小売りの売上高を発表し、前年同月比23.1%減の264億6,300万香港ドルと政府統計からも厳しい状況が鮮明になっている。香港金融管理局によると、2020年第1四半期の香港発行分のクレジットカードの決済総額は前年同期比11.8%減の1,704億香港ドルと低調だった。

 小売りの不信を象徴するかのように、米最大のスポーツ用品メーカー「ナイキ」は、中環(Central)の旗艦店を契約満了に伴い更新せずに閉鎖した。大手不動産会社,中原地産(Centaline)の関連会社、中原(工商舗)(Centaline Commercial)よると、中環、湾仔(Wanchai)、銅鑼湾(Causeway Bay)、尖沙咀(Tsim Sha Tsui)、旺角(Mong Kok)の5大商業地区の2020年7月の空室率は20.39%で、新型ウイルスが本格的に拡大する前の同年1月と比べると8.05%上昇したことが明らかにった。

 香港のみの動きではないが、「VICTORIA'S SECRET」「TOPSHOP」はフラッグシップ店を閉店し、香港撤退、「GAP」は銅鑼湾、九龍塘、TST2店舗を閉店し、残り3店舗のみで営業する。「ZARA」は世界中の実店舗1200店を閉鎖する計画の中、香港は全店舗を閉め、ネット販売に移行。「ESPRIT」「FOLLI FOLLIE」も全店閉店した。

 収入減少も深刻だ。米信用調査会社「TransUnion」は7~8月に香港人1006人を対象に家計調査を実施し、9月3日に結果を発表した。調査よると71%が「世帯収入が減少している」とした。特に18~25歳のZ世代は70%が減少したと回答し、失業率も24%に達している。全体の79%がクレジットカードや借金などの支払いが心配だとし、45%が4週間以内に支払期限があるものについては支払いができないだろうと答えている。 

 香港政府の財政も、現金給付、給与50%の助成金など大規模な財政出動を行ったため悪化している。香港政府が8月31日に発表した財政状況によると、2020年4月1日時点の財政備蓄は1兆1,603億780万香港ドルだったが、7月31日の時点で9,766億1,830万香港ドルで、1,836億8,950万香港ドルの赤字を記録した。今後も赤字が続き財政備蓄が減少するだろうと予想している。

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