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香港・旺角に彌敦道をまたぐ歩道橋 23年かけて完成

23年かけて完成した旺角の歩道橋

23年かけて完成した旺角の歩道橋

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 旺角の旺角道(Mong Kok Road)沿いを中心に歩道橋 や連絡通路が架けられているなか、彌敦道(Nathan Road)直前までで工事が停止していたが、彌敦道を超える最後の部分の橋が計画策定から23年の時をかけてようやく完成し、9月30日17時、供用を始めた。彌敦道で分断気味だった旺角の東部と西部の移動が楽になることから住民や通行者にとっては意味のある歩道橋になりそうだ。

通路幅も広く歩きやすい

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 今回ようやく完成した橋は、旺角行人天橋系統(Mong Kok Pedestrian Footbridge System)という長い歩道橋の一部に当たる。MTR旺角東(Mong Kok East)駅および連接するショッピングモール新世紀広場(MOKO)から弼街(Bute Street)沿いに西に向かい、洗衣街(Sai Yi Street)で南に向かう。旺角道で再び西に向きを変え彌敦道の上を超えて終わるもので、端から端までの所要時間は約6分。1時間当たり2000人の利用者を見込む。交通事故防止、横断歩道以外のところで通行人が渡ることで引き起こされる渋滞などの解消を狙う。

 旺角西部地区は古い建物が多いが、大勢の人が住んでおり、商業地区である旺角東部へのアクセスが格段に向上する。特に地理的にやや不便なところにあるMOKOへの集客も期待されている。

 この橋は1998年に官報に掲載され、デベロッパー最大手の一つ、新鴻基地産(Sun Hung Kai Properties)が1億5,000万香港ドルで受注した。弼街から旺角道までの幅は5.5メートルだが、香港映画に何度も登場する旺角道沿いの橋の幅は8.5メートルと3メートル広い。2000年から工事が始まり2002年に完工する計画だった。

 香港とマカオ、珠海を結ぶ港珠澳大橋(HZMB)よりも工事が長引いた。2000年に工事は計画通り始まった。2003年に旺角道を中心とする第1期が竣工したが、西端は彌敦道直前までだった。その後、工事がなかなか再開せず、2007年になると油尖旺区議会(Yau Tsim Mong District Council)において工事の遅延が議題に挙がり、再びプロジェクトが動き出した。2011年7月、地下に埋設されている各種ケーブルの移設工事で始まった。2014年になると雨傘運動で工事は3カ月中断。2016年に入り最後の彌敦道の上を超える橋の基礎工事が始まった。

 2019年には逃亡犯条例改正案によるデモの発生、2020年にはようやく彌敦道の上に橋が架けられたが新型コロナウイルスの感染拡大があり工事がさらに遅れた。2021年8月、ようやく主体橋が完成し最後の仕上げ工事を行っていた。

 監督官庁である路政署(Highway Department)は計画が決まってから23年もかかったことについて、地下の地盤内に記録されていない各種施設が埋設されておりこの解決に時間を要したと弁明している。ただ、これだけの時間がかかったことで路政署と新鴻基地産への責任問題に発展しており、今後の動向が注目される。逆に23年かかったことで観光スポット化しており、新型コロナが落ち着き、香港への渡航が可能になれば香港好きの日本人も訪れる場所になるかもしれない。

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