香港・灣仔の軒尼詩道に10月7日、まぜそば「麺屋こころ KOKORO」(1C, G/F, 68 Hennessy Road, Wan Chai.Tel: 37516966)がオープンした。
香港ではラーメン店が増え、つけ麺店も多くある中、さらに「まぜそば」が登場した。台湾まぜそばは唐辛子とニンニクを利かせたしょうゆ味のピリ辛ミンチを極太麺に載せた汁なし麺のことで、生の刻んだニラ・ネギ、魚粉、卵黄を入れ、おろしニンニクを入れ、よくかき混ぜて食べる。1950年代に名古屋で生まれたものだという。2013年に石川琢磨シェフが東京・大岡山で「KOKORO まぜそば」を開業し、日本で人気となり、日本の主要都市に出店した。東京では、2014年の日本のベストラーメン賞を受賞したこともある。
香港でフランチャイズ店をオープンするに当たり、オーナーのKevin Shih(石健華)さんは「香港にあまりないものを持ってきたい」という思いから2年前、まぜそばや油そばの店を1週間で50店食べ歩いたという。その中で「味がおいしく、見た目もきれいなのが『こころ』だった」と振り返る。「こころ」はフランチャイズの経験も多く、海外にも出店していたことから、コロナ禍で行き来ができないながらもオンラインのみで出店を決めることができた。
同店では麺はいくつかの小麦粉を混ぜたものを毎日自家製麺するものを使う。日本製の軟水器を使って水を柔らかくするなど工夫を凝らし、「歯応えや香りを大切にしている」という。
店内は清潔感ある白を基調とし、26席を配置。カトラリーも金色にするなどモダンな印象に仕上げているが、アート要素を加えた店づくりを目指していることから、今後、絵や日本から招いたアーティストが書を壁紙に装飾していく。
麺の上に、たっぷりのネギとのり、ニンニクをのせて真ん中に肉みそをのせ、最後に卵を落とす。プレミアム東京まぜそば「正当全科東京撈麺」(M=99香港ドル、L=109香港ドル)、肉まぜそば「叉焼撈麺」(M=89香港ドル、L=99香港ドル)、塩まぜそば「鹽味撈麺」(M=79香港ドル、L=89香港ドル)などのまぜそばと唐揚げ、餃子(4個36香港ドル)のサイドメニューがある。将来的に新界エリアに出店したときも客が受け入れられる価格に設定したという。「始めは黄身を壊して具材や麺を一気に混ぜ一口目はそのまま、次にペッパーを加えて味を変え、その次に昆布酢を加えてまろやかな味にも変化させて楽しめる」という。「最後は追い飯をするのがお勧め」とも。
香港限定のメニューも用意。香港はまだまだ暑いことから、冷たいそばとして、ゆず塩まぜそば「ゆず鹽味撈麺」を出すことを決めた。じっくり煮込んだ国産鶏肉に爽やかなユズの果汁を加え、自家製麺を添えた。ほかに「明太子クリームまぜそば」「カレーまぜそば」なども近くラインアップに加える予定。
現在は1日100杯限定で提供しているが、ゆくゆくは1日300杯程度を提供できる体制づくりを目指す。香港には10店舗を目標に出店を計画する。
営業時間は11時30分~18時(無くなり次第終了)。グランドオープン後は夜間も営業予定。