香港での展開が好調な「DON DON DONKI」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスが1月20日、香港9店舗目めとなる「アモイプラザ(淘大花園)店」(Shop F 188-204,1/F, Phase 3, Amoy Plaza, 77 Ngau Tau Kok Rd, Kowloon Bay, Hong Kong)を開業する。
同エリアは九龍灣駅から5分ほど離れた場所にあるものの、約4900世帯から成る集合住宅「アモイガーデンズ(淘大花園)」があり、敷地内に飲食店や商店などが軒を連ねる。
売り場面積はこれまで最大だった8号店の屯門店を上回る2408 平方メートルで、OPモール店が増床したことで2番目となる。ワンフロアに広がる店内を6つのテーマに分け、それぞれの場所に花のテーマを設け、茨城の国営ひたち海浜公園のコキアやネモフィラ、北海道富良野のラベンダー畑、美瑛の色彩の丘など、さまざまな色とほのかな香りで店内を演出する。
果物のコーナーは贈答品を想定したドンキの新ブランド「ふるふる」を立ち上げた。例えば、イチゴのパックを2パック、箱のまま購入すると割引になるなどの「お得感」を打ち出す。
鹿児島産豚肉の内臓を集めたラインアップも同店が初めての試み。香港では街中のあらゆるところで豚肉のホルモンが販売されているが、大腸、小腸(以上100グラム 13香港ドル)、豚足(同6香港ドル)、豚肝(同8香港ドル)などをパックに入れることで「下処理をきちんと施し、臭いや毛などがない豚のホルモン」として地元のものと差別化し、日本で食べることの多いレシピを添えて展開する。
鮮魚のコーナーでの新展開は、サケの切り身に自分で好みのみそをつけて提供するサービス。つぼに入った西京みそ、もろみみそ、酒かす、甘塩の中から好みの味を選び、袋に入れて3切れ80香港ドルで販売する。
香港の「火鍋文化」は夏でも鍋をするほど鍋に親しみがあることから、鍋のスープのコーナーを設け、秋田のきりたんぽ鍋、北海道の石狩鍋など、日本各地の鍋をPOPで紹介するなどして、だしから豚骨まで、さまざまなフレーバーを並べた。その横にある野菜や肉、魚介類のコーナーにつなげることで、日本に比べると料理をする人が少ない香港人でもコロナ規制などで自宅での飲食をせざるを得ない状況下、購入意欲を喚起する売り場づくりの工夫を施す。
日用品の中での注目は「やぎミルク」を使ったシャンプーやボディーソープ(49香港ドル)だという。「今後、当社は輸出するだけでなく進出した現地での商品開発も進め、輸入元になるような商品にも取り組んでいく」と香港拠点の瀬戸竜一総経理は話し、進出先それぞれの土地を生かした新商品開発にも意欲を見せる。ほかにも、今治タオルの販売コーナーも登場した。
新店では、これまで以上に「日本産米」に力を入れる。同店のオープンに向けて、同社は葵涌(クワイチョン)に昨年自社精米所を立ち上げた。同店では精米したての日本産の米を販売し、全5種類の特A米をそれぞれ白米、無洗米、2キロと5キロのパックで用意する。北海道の「ななつぼし」や「ゆめぴりか」、青森の「まっしぐら」、秋田の「あきたこまち」、栃木の「こしひかり」を選定し、精米日をパッケージの表に記して商品を並べる。
米のコーナーの横には、米の炊き方の映像を流し、軟水のペットボトルを大量に並べ、釜炊きできる土鍋を並べるなど、「おいしいご飯」にこだわったコーナー展開にした。精米して間もない米は水分量が多く、うま味や甘み、粒感などの米本来のポテンシャルを引き出すことができるという。さらに同店では、これらの米を使った、炊きたておにぎりや弁当を販売するほか、香港のDONKI初となるオーダー制の弁当コーナーを設けた。利用客は既にパックされている弁当だけでなく、その場でオーダーすることができる仕組みで、「できたて」を好む香港人を狙う。オリジナルブレンドの出汁(だし)を使った「おでん」や北海道牛乳で作る「ソフトクリーム」などの販売コーナーもモール内の通路側に展開することで、気軽に利用できるようにした。
営業時間は8時~翌1時。