林鄭月娥(Carrie Lam)行政長官は1月27日、記者会見で海外からの来港者への水際対策について緩和すると発表した。日本から香港の渡航はこれにより21日から14日に短縮される。また、現在実施されている防疫措置は2月17日まで延長するとした。
香港は28日現在、累計感染者数が1万3450人、死亡者は213人、回復者1万2642人、新規感染者は164人で、輸入症例、輸入関連症例が119、域内感染が45となっている。一方、ワクチン接種者については、1回目が530万8095人(78.8%)、2回目も終えた人は477万9353人(71%)となっている。3回目の接種回数は88万6265回だ。
オミクロン株の感染拡大が依然として落ち着く気配を見せないことから2月17日までの延長を決めた。これにより、公衆での集まりを制限する「限聚令」については最大4人、公共の場や公共交通機関でのマスク着用義務を継続する。レストランは18時から翌朝5時まで店内飲食禁止、他の時間帯においても、B類は1卓当たり2人まで、C類は同4人、D類は同6人まで、収容人数の上限や客が入店する際の「安心出行(LeaveHomeSafe)」の使用義務に変更はない。
レストラン以外の営業形態である、バー・パブ、アミューズメント施設(ゲームセンター、ビリヤード場、ボウリング場、アイスリンク)、浴室、フィットネスセンター、公共娯楽施設(コンサートホールなどの会場)、パーティールーム、美容院、ナイトクラブ、カラオケ、マージャン、マッサージ、スポーツ施設、スイミングプール、クルーズ船、イベント会場は営業停止が継続となる。
一方、オミクロン株により厳格されていた水際対策は緩和された。日本で昨年11月30日にオミクロン株の感染例が確認されたことから日本を同日にA組指明地区(Group A specified places)に編入し21日間の政府指定ホテルでの強制隔離となっていた(現在は中国を除き全ての国・地域がグループAに属する)。しかし、オミクロン株は潜伏期間が短いほか、発症から10日を過ぎると感染する事例が減ることから、2月5日より隔離期間を14日に短縮し、その後1週間を自主健康観察期間とすることとした。搭乗48時間前のPCR検査の陰性証明、14日間のホテル予約確認書が必要となる。隔離中は6回のPCR検査を受けるほか、自主健康観察期間は16日目、19日目にPCR検査を受けなければならない。非香港居民は依然として香港には渡航できない。
なお、水際対策で規定以上の新規感染者などが出た場合、香港に到着する便を14日間禁じる「熔斷機制」は、オーストラリア、カナダ、フランス、イギリス、アメリカ、インド、パキスタン、フィリピンの8カ国は2月28日まで措置が延長される。
全ての学校の対面授業停止は2月21日まで延長されることになった。さらに、旧正月には毎年大勢の参拝者が訪れる「黄大仙祠(Wong Tai Sin Temple)」は、今年も一般開放しないと発表した。ただし、境内で行われている儀式についてはオンラインで中継するとしてる。また、旅行代理店大手で約半世紀の歴史がある「星晨旅遊(Morning Star Travel Service)は、新型コロナによる観光需要がなくなったことで、取締役会で会社の清算手続きに入ることを可決したとホームページ上で発表した。