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日本政府、鎖国政策を当面継続へ 香港での3回目ワクチン接種は元日から対象拡大

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 日本政府は12月28日、新型コロナウイルス対策について12月31日を期限としていた外国人に新規入国についての一時停止について当面の間継続すると発表した。また、日本への到着便においてオミクロン株の陽性者がいた場合、搭乗者全員を濃厚接触者としていたが、12月28日から前後2列に緩和すると発表した。一方香港政府は12月24日、3回目のワクチン接種について2022年1月1日より海外渡航を条件とする場合、2回目接種から3カ月後でも可能とするなど、対象を拡大した。

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 香港は29日現在、累計感染者数が1万2605人、死亡者は213人、回復者1万2444人、新規感染者は6人はすべて輸入症例。一方、ワクチン接種者については、1回目が486万3263人(72.2%)、2回目も終えた人は464万8817人(69%)となっている。3回目の接種回数は36万6368回だ。29日現在で82日連続で市中感染ゼロが続いている。

 日本政府は、新規外国人に対する入国停止措置についての延長については、12月28日時点で直近1週間の新規感染者数は1.3と低水準であるものの、オミクロン株の市中感染例が増加していることなどから、同政策の延長を決めた。これにより、香港からのビジネスパーソンや留学生の来日不可が継続となった。解禁のめどは立っていない。

 一方で、飛行機での濃厚接触者の定義が緩和された。香港在住日本人が帰国する際、同じ飛行機にオミクロン株の新規感染者がいた場合、機内にいる全員が濃厚接触者となり自治体が用意する施設で14日間の隔離を求められたが、12月28日から新規感染者の前後2列の乗客を濃厚接触者とする従来の運用に戻す。この措置は、感染者と同じ飛行機に乗っていた人がオミクロン株の陽性となるケースは約0.1~0.2%で、空港検疫の時点で陰性とされた人がその後に陽性となる割合と同じ水準であり、搭乗者全てを濃厚接触者とする科学的な根拠はないとしたためだ。陰性反応を示したとしても濃厚接触者となった場合、自宅などでの隔離ではなく政府が用意した施設での隔離であることから負担が大きかっただけに規制緩和は余計な負担が減ることになる。

 香港におけるワクチンの3回目の接種は11月11日から無料で行われてきた。第1優先者はガン患者、臓器移植者、後天性免疫不全症候群(AIDS)患者などの免疫機能が弱い人を対象とし、2回目の接種から28日以上経過していることが必須となっていた。12歳~17歳が対象となる場合は、親の同意書が必要だった。第2優先者は18歳以上の接種者のうち、60歳以上で医療、防疫対策関連、税関を超える輸送業者、港湾作業などの従事者。2回目の接種から6カ月以上が経過した場合「交差接種」も認めた。

 対象年齢については、米ファイザー/独ビオンテック社が開発・製造し、中国本土・香港・台湾における販売代理店である上海の復星医薬(Fosun Pharma)が供給する「復必泰(Comirnaty)」が6月に12歳まで引き下げていたが、北京の科興控股生物技術(Sinovac Biotech)の「克爾来福(CoronaVac)」のワクチンは対象年齢を3歳~17歳とすることも11月20日に決まった。特に12歳~17歳を1回目と2回目の優先接種者に指定し12月2日から克爾来福の接種を開始することも決めた。

 優先接種者の3回目の接種が順調に進んだことから、11月23日からは2回目の接種を終え6カ月以上経過した克爾来福接種者が3回目の接種を打てるようにするなど、接種対象者を絶え間なく広げてきた。しかし、オミクロン株の世界的な感染拡大が止まらないことから、さらなるワクチン対策を加速させる。

 今年1月1日より復必泰について、2回目接種から6カ月以上経過した18歳以上の人の復必泰の3回目の接種も可能となる。渡航等のため3回目の接種が必要な場合、2回目接種完了から3カ月以上経過すれば、社區疫苗接種中心(CVC)に赴き事情を説明して、状況に応じて早期の接種の手配をすることも可能になる。1回目接種から3カ月以上経過した12歳~17歳が、留学などを理由に海外に行くために2回目の接種が必要な場合、親の同意があれば1回目接種から21日後に2回目を接種することも可能になった。

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