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香港経済新聞編集部が選ぶ2021年の十大ニュース

2021年も香港各地で開発が進み、コロナ禍でありながらも域内消費は復活基調を見せる

2021年も香港各地で開発が進み、コロナ禍でありながらも域内消費は復活基調を見せる

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 2021年の10大ニュースは、香港国家安全条例制定と新型コロナウイルスの感染拡大の2つに集約された2020年に続く形で、2年目を迎えた新型コロナウイルスに翻弄された1年だった。先進国などでは3回目の接種が始まっているが2回目の接種すら終わっていない国も多く、2022年に終息できるかは見通せない。政治では立法会選挙で親中派が圧勝し、社会が変質していることが明らかになった。東京五輪でのメダルラッシュ、MTR屯馬線の開通などコロナ禍でもポジティブな話題もあった香港の1年を振り返る。

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 1、2年目を迎えた新型コロナウイルス。ゼロコロナを採用(2021年1月7日ほか)

 2年目を迎えた新型コロナウイルス。中国政府がゼロコロナ政策をとっており、中国との往来を重視する香港政府もゼロコロナ政策を採用した。厳しい防疫対策は、地域を限定したミニロックダウン、映画館運営大手のUAシネマの閉鎖、鴻星海鮮酒家といった有名レストランの閉店などにも影響した。ワクチンは3回目の接種も始まった香港だが、海外旅行に行けないこともあり、特に2021年後半からは、ホテルやレストランはリバウンド需要でにぎわう光景も見られる。

 2、立法会選挙、建制派が圧勝(2021年12月19日)

 第7回香港立法会選挙が12月19日に行われた。定員90席のうち親中派が89議席を獲得。中間派や民主派の「非建制派」はわずか1議席となり、予想通り親中派が圧勝した。香港市民の直接投票による地区選挙枠の投票率は30.2%と過去最低を記録した。今後は香港政府が思い描く法律が制定されるものと予想されている。

 3、アップルデイリーが廃刊(2021年6月24日ほか)

 2014年の雨傘革命や2019年の逃亡犯条例改正案を通じて、民主派寄りの新聞として知られるようになった「蘋果日報(Apple Daily)」が6月24日付けを最後に、発行を停止した。事実上の廃刊となる。最終版は100万部を印刷した。香港政府は同紙の銀行口座を凍結し、資金繰りに行き詰ったことが廃刊の原因だ。また、12月29日にはネットメディアの「立場新聞」の幹部ら7人が逮捕され、立場新聞は記事の配信を停止するとともに、過去の記事も削除された。

 4、香港代表、五輪でメダルラッシュ(2021年8月11日ほか)

東京五輪のフェンシング、男子フルーレで張家朗選手が25年ぶり、史上2人目の金メダルを獲得した。水泳のシヴォーン・ホーヒー(Siobhan Bernadette Haughey)選手は100メートルと200メートル自由形で銀メダル、卓球女子団体が銅メダル、競輪の個人スプリントでは李慧詩選手が9年ぶりの銅メダルを獲得。香港市民は空前のメダルラッシュに沸いた。

 5、MTR屯馬線が全線開通(2021年6月28日)

 屯門(Tuen Mun)から紅●(Hung Hom)を経由し、烏渓沙(Wu Kai Sha)を結ぶ「屯馬線(Tuen Ma Line)」が6月27日、全線開通した。総延長56キロとMTRが運営する路線の中で最長で、全27駅、乗り換え駅は6駅ある。九龍(Kowloon)と新界(New Territories)を横断と縦断をする路線となり、各地域間の移動が格段に向上する。

 6、200万人が住む「北部都會區發展策略」(2021年10月28日ほか)

 林鄭月娥(Carrie Lam)行政長官は10 月6日、5年の任期最後の施政方針演説を行った。目玉は特に「北部都會區發展策略(the Northern Metropolis Development Strategy)」という計画で、約600ヘクタールの土地に250万人が住み、65万人の雇用(うち15万人はIT系の仕事)を創出するという壮大なビジョンを描いている。

 7、香港国際空港、第3滑走路竣工(2021年9月13日)

 香港国際空港(HKIA)の「第3滑走路(3RS)」が完成した。早ければ2022年下半期から供用を始める。総工費は約1,415億香港ドル、全長は3800メートル、幅60メートル、路面は厚さ1メートルにも及ぶ5層構造。第3滑走路に合わせて建設中の新しいターミナルであるT2は2024年に完成予定となっている。T2は年間3000万人の乗客取扱能力があることからHKIA全体で年間1億2000万人の乗客の利用が可能となる。

 8、日系資本の飲食店、引き続き香港に進出(2020年5月13日付など)

 カキをメインにした居酒屋「Kagura牡蠣小屋」、牛丼チェーン「東京チカラめし」、豚丼専門の業態「ぶたはげ」、1人焼き肉店「焼肉ライク」、焼肉食べ放題の「かみむら牧場」など日系資本の飲食店が新型コロナウイルス禍の中でも続々とオープンし、香港における日本食人気のぶりを見せつけた。

 9、香港政府、2020年は5,000香港ドルの電子マネーを配布(2020年6月21日)

 香港政府は、新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ経済を刺激するため、電子商品券5,000香港ドルを配布した。2020年は現金1万香港ドルの現金を支給したが、2021年は消費性がより高い電子マネーに転換した。採用されたアプリWeChat Pay HK、Alipay HK、Tap & Goの3つと八達通(Octopus)は利用してもらおうとキャンペーンを展開。狙い通り、電子マネー対応店の売上が増加した。

 10、現代ビジュアル・カルチャー美術館「M+」が完成(2021年11月23日付)

 西九龍文化区(WKCD)にアジア初の現代ビジュアル・カルチャー美術館「M+」が完成した。18階建て、6万5000平方メートル、ヘルツォーク&ド・ムーロン(Herzog & de Meuron)とTFPファレルズ(TFP Farrells)、アラップ(Arup)のグローバルチームが設計。オープンにあたり、選りすぐりの作品約1500点が展示され、その中には1988年に新橋にオープンしたすし店「きよ友」を丸ごと移設している。順調に進めば同地区に来年7月、香港故宮博物院が開館する予定だ。

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