フランスの文化や芸術を知ってもらうため5月に多彩なプログラムを展開する「法国五月芸術/Le French May」が今年も開催されている。2021年もコロナ禍にもかかわらず感染対策を施して開催したが、2022年もオミクロンが落ち着きをみせていることもあり、無事開催につながった。
5月はフランス人にとって第2次世界大戦の戦勝記念日など重要な月であることから、1993年にスタートした同イベント。開催期間は例年同様、5月1日~6月30日の丸2カ月間で、香港内各地で開催する。
芸術の国、フランスらしく多彩なプログラムを繰り広げ、毎年秋に「日本秋祭 in 香港」が行われているが、日本の目標としたいイベントともいえる。
演目数は、新型コロナウイルスの感染拡大前は100~150のプログラムがあったが、今年は約70の演目を開催する。
プログラムは「パフォーマンス」「エキシビション」「映画」「美食と特別イベント」「教育」に加え、今年から「ヘリテージと芸術」というカテゴリーが新たに加わり6つとなった。パフィーマンスでは「我愛?,我並不愛?(Je T'aime... Moi Non Plus)」に注目が集まる。フランスが生んだ有名作曲家であり、歌手、映画監督、俳優でもあったセルジュ・ゲンスブールの音楽をAlan Kwan's Quartetなどが演奏する。
映画もフランスの魅力の一つだが、大手シネコンの百老匯院線(Broadway Circuit)と提携して「バルバラ ~セーヌの黒いバラ~」「死刑台のエレベーター」など最近のものから名作まで幅広いフランス映画の上映を予定している。ユニークなところでは、2019年~2021年のカンヌ国際映画祭で撮影された俳優の写真を、湾仔(Wanchai)、佐敦(Jordan)、沙田(Shatin)に設置された各会場で展示する。カドリーヌ・ドヌーブからブラッド・ピットまで、さまざまな映画スターが出演した作品が並ぶ。
美食と特別イベントでは、香水をテーマにした「穿越法國經典香水世界的時光之旅(Journey Into Classic French Perfumery)」を開く。香港初の香水専門店「Parfumerie Tresor」のRania Naimさんが香水の歴史などをレクチャー。美食では「法國五月美食薈(French Gourmay)」と題して、「L’ATTITUDE」「Tiffin」など50近いレストランが参加し、40のスーパーマーケットやワインセラーがワインを販売するほか、ワークショップも行う。
チケットはプログラムごとに設定されているが、4~6枚まとめて買えば5%引き、7枚以上なら10%引きとなる一方、今年も無料のイベントが多い。防疫対策の関係から人数制限を設けているプログラムがほとんどだが、詳しくはウェブサイトで確認できる。チケットはURBTIX、百老匯院線、西九文化区(WKCD)、art-mateなどで販売している。