ディスカウントストア「ドン・キホーテ」の東南アジア仕様業態「Don Don Donki」による回転ずしの店「鮮選寿司」(1/F, Pearl City, 22-36 Paterson Street, Causeway Bay, Hong Kong )の5店舗目が11月11日、銅鑼湾(Causeway Bay)にある「名珠城(Pearl City)」にオープンする。従来の回転ずしの形態ではなく同店初のフルサービス型の店となる。
席もゆったりと座れるように設計し、各テーブルのプライベート空間も大切にした
Don Don Donkiは鮮選寿司を、2021年10月以降「海之戀(OP Mall)」店の出店を皮切りに4店舗を展開してきたが、今回は日本食の激戦区である銅鑼湾への進出を果たす。「Don Don Donki 名珠城店」に併設する形での展開となり、これまで1階にあったお菓子コーナーやレジを別の階に移動し、そこを鮮選寿司に切り替えた。
瀬戸竜一総経理は「今回の開店に当たり、2階以上の店のレイアウトや導線は大きく変えた」と話す。店舗面積は140坪(約5000平方フィート)で、146席を配置した。1座席当たりの面積がこれまでの店より広くなっているほか、テーブル間や通路がゆったりとしていて、「良い意味で香港らしからぬ造り」になっているという。テーブル席も従来より1.2~1.3倍の長さにし、4人席でも「小柄な人なら6人でも座れる長さ」とも。テーブル席の仕切りの高さが150センチと180センチの2種類があり、特に180センチは立っても隣がほとんど見えない高さでプライベートな空間にした。
同店の特徴は、回転レーンや特急レーンがないフルサービス型とした点。タブレットでオーダーすれば、非接触で出来立てのすしが運ばれてくる。炙(あぶ)りのすしなどは店員がテーブルでバーナーを使って表面を炙るなどライブ感も重視した。
同店の狙いについて、鮮選寿司の責任者である山口晋治さんは「ネタの鮮度、おいしさには自信があり、フルサービスの形態でもできるだけリーズナブルな価格で提供できるのが特徴。ファミリー層やイベント事などに使ってほしい」と話し、高級すし店を含めフルサービスですしを提供する店が多い銅鑼湾の他店との差別化に触れる。
1人当たりの面積を広くするために席数を減らさざるを得なかったことや、フルサービスであることから回転数が落ちるほか、輸送コストの上昇など値上げ要因が多くあるが、山口さんは「一部のネタの価格を2、3割上げるほか、ゆっくり食べてもらえることで、客単価を1.5倍ほど上げて利益を確保していきたい」と意気込む。
既にフルサービス型の店の2店舗目を準備中で、瀬戸総経理は「ピーク店を除けば鮮選寿司はDon Don Donkiと併設する形で出店してきたが、この店が成功すれば鮮選寿司単独での店の展開への道筋が見えてくる」と、今後に向けたテストケースになるという。
メニューは、中トロ、サーモン、あじなど8貫から成る「上にぎり」(180香港ドル)、大トロ、中トロ、赤身の「本まぐろ3貫にぎり」(98香港ドル)などが「お薦め」だという。数カ月に1回またはシーズンごとにグランドメニューのラインアップも変える計画。同店では、サイドメニューとしてフライドポテトのようなジャンクな揚げ物は提供しない。一方で、「銀だら西京焼き」(98香港ドル)、「炙りたてのしめさば」(128香港ドル)などのサイドメニューを用意する。
日本酒も山口さんが選び、「常山 超辛 純米大吟醸」(300香港ドル)、「松の花 蔵一 特別純米原酒」(220香港ドル)など6種類を提供する。
営業時間は11時~22時。