香港で、12月8日にはサイクリング大会「香港単車節(Hong Kong Cyclothon)」、12月23日からは国際テニス大会「香港國際網球挑戰賽2022」、来年2月12日には「香港馬拉松(Hong Kong Marathon)」と、これまで延期・中止されてきたスポーツイベントが次々に再開される。
男子7人制ラグビーの大会「香港セブンズ(香港國際七人欖球賽)」が11月4日~6日、香港スタジアムで行われた。新型コロナウイルスが発生してから初の大規模なスポーツ大会だったが、大きな混乱もなく終わった。
香港は17日現在、検査による陽性反応を示した人は201万2877人、最終確定した累計感染者は44万7041人、死亡者は1万569人となっている。新規感染者は8050人、うち474人は海外からの輸入症例だ。一方、ワクチン接種者については、1回目が689万5645人(94.4%)、2回目を終えた人は675万4614人(92.6%)、3回目も終えた人は569万7899人(81.9%)、4回目が56万6501回となっている。
香港セブンズは、政府指定ホテルでの強制隔離は外されたものの、入境3日間は各種入場制限があるなど世界と比べると厳しい措置の中での開催となった。香港政府の発言には慎重さが残るものの、大会以前より、ここで大きなクラスターが今後発生することがなければ、観光客やビジネスマンはワクチンだけ規定回数を接種することで、一切の制限なしに自由に香港を往来できるようになる実現性が高まる目安とされてきた。香港としても2019年の逃亡犯条例改正案に端を発した大規模なデモが発生したことによる安全性への危惧やイメージダウンを挽回したい思いが強い。こうしたことから、国際的なスポーツイベントを積極的に開催してイメージアップを図りたい考え。
人口約730万人という小さな市場規模の関係から、香港ではプロリーグの発展というのは競馬を除いて難しい。国際スポーツイベントの招致は香港社会にとっても大きな意味を持つ。
サイクロソンは2018年以来の開催で、尖沙咀(Tsim Sha Tsui)を中心に開催。プロなどが走る50キロや30キロのレースは尖沙咀~青衣(Tsing Yi)間を往復するほか、尖沙咀周辺で全長3.7キロのコースを整備しタイムトライアルを行う。同650メートルのミニコースも設け、サイクリングを楽しめるゾーンも設置する。
テニス大会は、香港では過去、男子のテニス大会、近年は女子のテニス大会が開催されてきたが、今回は男子の大会が行われ、クリスマスに決勝を迎える。世界ランク9位のテイラー・フリッツ(アメリカ)、同11位のフベルト・フルカチュ(ポーランド)、今年の全米オープンでベスト4に入ったフランシス・ティアフォー(アメリカ)というトップ選手3人が出場する予定。香港大会は毎年1月に行われるメジャータイトルの一つで、全豪オープンに向けコンディションを上げていくための大会ともなる。
1997年に始まった香港マラソンは市民ランナーも多く参加する人気があるイベントで、日本人ランナーの参加も少なくない。フルマラソン、ハーフマラソン、10キロの3種類がある。コースはサイクロソンの一部と同じだが、香港島にもコースに組み込まれ、ビクトリアパークがゴールとなる。今回の定員は2万5000人を予定している。