キャセイパシフィック航空傘下の格安航空会社(LCC)の香港エクスプレスは1月11日、3月末より週400便を超えるフライトのサービスを始めることを明らかにした。香港航空は翌12日、2023年末までに運航便の数をコロナ前の75%まで増やし2024年にはコロナ前の水準にまで戻すと発表。香港政府は11日、西九龍駅(West Kowloon Station)と中国本土の各都市を結ぶ高速鉄道も15日に運行を再開すると発表した。新型コロナウイルスにより約3年間、鎖国に近い状況が続いていたが、これでほぼ「開国」することになる。
香港は15日現在、検査による陽性反応を示した人は283万1717人、最終確定した累計感染者は52万8850人、死亡者は1万2813人となっている。新規感染者は6261人、うち14人は海外からの輸入症例。一方、ワクチン接種者については、1回目が691万1564人(94.6%)、2回目を終えた人は679万1450人(93.1%)、3回目も終えた人は582万2725人(83.6%)、4回目が98万8762回となっている。
新型コロナが2020年、香港でも広まり始めると香港政府は厳しい防疫措置を取ったため、キャセイは大幅な減便をしながら日本を含め世界各都市と運航をしていた。しかし、傘下の香港エクスプレスは運賃が低いことから飛行機を飛ばすだけ赤字幅が大きくなるため、2020年3月23日に全便運航をストップ。その後、徐々に運航が再開し始めていたが、香港政府は2022年9月26日にから政府指定ホテルでの隔離措置を廃止することを決定した。10月から運航数がさらに増えた一方、需要が爆発したため香港エクスプレス内での処理が回らなくなり、同年10月8日、2023年1月15日までのフライトの減便や運休を発表していた。
その間に組織の立て直しを図り、今回、3月末には週400便を超える飛行を行うことを明らかにした。現在、香港から日本へのフライトに関しては中国本土のフライトとは別枠で運用しており、大きな制限がないことから、新型コロナ前に就航していた多くの地方空港との往来に期待が寄せられている。同社はエアバスA321neoの機体16機を発注したほか、2023年中に300人強のキャビンアテンダントを採用することも明らかにした。
香港航空も厳しい運航状況が続いていたが、市場が好転し始めている。1月12日には、2023年内に120人のパイロット、500人に客室乗務員など合計1000人を増員するほか、8~10%の賃上げをして優秀な人材の確保を進めるとした。その結果、1月より東京、大阪、ソウル、ハノイ、北京など15空港へのフライトを1日当たり毎日30便にすると12日に公表した。2023年末にはコロナ前の75%にまで回復させ、2024年中に全面回復することを目指すという。
西九龍と広東省や中国各都市を結ぶ高速鉄道は15日に運行を再開。広州南8本、深?北10本、福田14本、広州東6本の、1日当たり38本で始まった。特にこれまで、広州東駅にたどり着くには紅●駅(Hung Hom)発の列車に乗車するしかなかったが、高速鉄道から直接つながる路線を新設。紙の乗車券は廃止され実名制のEチケットのみで行う。北京、上海、長沙などの中長距離の高速列車は旧正月が開けてから復活する計画となっている。
●=石へんに勘。