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香港のグレーターベイ航空、日本就航へ キャセイドラゴンの補完的役割も

いよいよ日本線がスタートする香港拠点のグレーターベイ航空

いよいよ日本線がスタートする香港拠点のグレーターベイ航空

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 香港第3の航空会社「大湾区航空」(Greater Bay Airlines=グレーターベイ航空/GBA)」が1月12日、香港国際空港(HKIA)~成田国際空港のフライトを就航する。香港、日本ともウィズコロナ時代となり往来の活発化が期待されているが、キャセイドラゴン航空が消滅した路線を補う航空会社としても期待されている。

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 香港の航空会社は昔から厳しい競争環境にさらされており、1985年創立で中国路線に強みを発揮していた「ドラゴンエア」は2006年にキャセイパシフィック航空に買収され、2016年には「キャセイドラゴン」に名称を変更。LCCの香港エクスプレスは2019年にキャセイに買収された。新型コロナウイルスが発生し香港エクスプレスは運航をストップし、キャセイは大規模なリストラを行った結果、キャセイドラゴンは2020年10月に消滅した。

 グレーターベイ航空は、粤港澳大湾区「Guangdong-Hong Kong-Macao Greater Bay Area」という巨大経済圏の構築を掲げる香港政府と中国政府の肝いりで設立された航空会社で、経済圏をより活性化させることが期待されている。

 同航空の前身は深●東海航空で、東海集団(East Pacific Group)という深●の不動産業などで成功し、グレーターベイ航空でも主席を務める黄楚標さんが2002年に創設した。同年7月に現在の名前に社名変更。現在同社のCEOを務める許感忠(Stanley Hui)さんは、でキャセイとドラゴンエアの幹部を務めたほか、2007年から2015年までは機場管理局(AA)のCEOを務めた経験を持つ。

 ほかの取締役には、教育統籌科更名為教育統籌局(Education and Manpower Bureau)(現教育局(Education Bureau))トップや香港中文大学の校長を務めた李国章(Arthur Li)さん、立法会の主席を務める梁君彦(Andrew Leung)さんのほか、他の取締役メンバーも全国人民代表大会代表を務める人がいるなど、政治色が強めなのが特徴。

 香港と中国本土の路線については、北京、上海といった大都市はキャセイがカバーするものの、キャセイドラゴンが消滅したため中国の地方都市とを結ぶ路線が手薄になってしまった。グレーターベイ航空は、ここを補完する役割も担う。

 当初計画によると、中国本土48路線を含む、台湾、日本、韓国、シンガポールなど104路線を予定し、7月23日に同航空の初めての便がバンコクのスワンナプーム国際空港に向かって初飛行を行った。12月には台北の桃園国際空港との便が始まり、1月12日には成田との便が始まる。今月17日にはソウルの仁川国際空港への初フライトも決まっている。使用機材はボーイング737-800で、将来的には30機、2500~3000人体制を目指す。

 同社の成田便スケジュールは、週7日1日1便運航し、香港発(HB530)は9時20分で、成田に14時50分到着。成田発(HB531便)は16時に離陸し、20時15分香港到着で、日本に滞在する時間を有効に使いやすい運航スケジュールを組む。

 ●=土へんに川

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