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日本の農産品輸出、年間で初の1兆円突破 香港も順調に輸出額伸ばす

依然として日本産品の輸出が続く香港市場

依然として日本産品の輸出が続く香港市場

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 2021年の農林水産物・食品の輸出実績について2021年1月~11月で年間で1兆円を突破する見通しになることが12月16日に明らかになった。食文化が豊かな「日本」というブランドを背景にコロナ禍でも輸出額を伸ばした。なお、香港も1月~10月の時点で前年比8.8%増の1778億円を記録し、順調に数字を伸ばしている。

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 これは農林水産省が12月3日に発表した2021年1月~10月の農林水産物・食品の輸出実績が前年同期比28%増の9734億円に達し、財務省が12月16日に公表した11月単月分の貿易統計において899億円となり合計で1兆633億円となったことによるもの。

 農水省の1月~10月のデータを見ると国・地域別ではトップに立ったのは、これまで16年首位を獲得してきた香港を抜いて前年同期比40.2%増の1841億円を記録した中国だった。2位は香港、3位は同43.8%増の1371億円だったアメリカが入った。この要因は、2大経済大国である中国とアメリカがコロナ禍の中でも経済が回復してきたことで大きな伸びを見せたほか、新型コロナウイルスの影響で食事を自宅でする人が世界中で増えたことがある。

 今月10日には、農林水産物など輸出促進全国協議会が都内で開かれ、令和3年度日本食海外普及功労者5名、輸出に取り組む優良事業者10事業団体が表彰されたが、その中で香港からは、Zen Foods社の氷室利夫代表取締役会長が功労者として表彰された。日本食海外普及功労者表彰事業は、日本産農林水産物・食品の輸出の一層の拡大に向けて、海外に在住し日本食・食文化又は日本産農林水産物・食品の海外での紹介、普及等に多大に貢献してきた者(日本食海外普及功労者)に対し、農林水産大臣賞を授与するもの。

 氷室会長は、香港日本料理店協会会長や香港日本産食品等輸入拡大協議会座長なども務めている。受賞にあたり、「香港は 16 年連続で日本からの食品と輸入額が世界一。中華料理に次ぎ、日本食レストランは香港では第二位の数を占め、たった人口 730 万余りのこの地で、このような実績を出しているのは、まさに驚異的であり、いかに香港の方々が日本食に対する愛情が深いかということを物語っているかと思う」とコメントを寄せ、香港は今後も、香港だけでなくマカオ、そして大湾区に広がりを見せる中で、これらの地域を起点に世界に日本食文化が発信することを誓った。

 政府は新たな目標として2035年までに2兆円、2030年までに5兆円を掲げる。香港はここ数年、高級路線で商品価格を上げることで輸出額を伸ばしてきたが、香港における日本食文化が成熟していることを考えると、今後も人口750万人から増加したとしても極端な伸びを見せることは考えにくい。しかし、香港という1都市がアメリカ、中国という国レベルに匹敵する輸出先であることから、依然として魅力的な市場であることは間違いない。

 この先、日本と香港の貿易に携わる人は、引き続きブランド価値を高めながら高級食材の輸出を増やすのか、それとも別の方法で増やしていくのか、今後の取り組みが注目される。

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