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日本の農林水産物・食品輸出額1兆4,148億円 香港は2,086億円で2位維持

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 日本の農林水産省は2月3日、「2022年の農林水産物・食品の輸出実績」を発表した。2022年の農水産物・食品の輸出額は前年比14.3%増の1兆4,148億円。国・地域別で香港は、コロナ禍の影響を受け前年比4.8%減の2,086億円だったが、2位を維持した。

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 国・地域別でトップに立ったのは、中国で同25.2%増の2,783億円で2年連続の1位だった。2位の香港に続き、3位となったのは「アメリカ」で同15.2%増の1,939億円。4位は台湾で同19.6%増の1,489億円、5位はベトナムで同23.8%増の724億円となっている。

 2位の香港は、輸出先トップ10の国・地域の中で唯一の前年割れとなったが、その原因としては厳しい新型コロナの対策だ。特に上半期は、店内飲食が18時や22時以降は禁止されたほか、1卓当たりの人数も制限されるなど、かなりの制限を飲食店にかけたことが大きな原因と見られる。人口わずか730万人の香港と14億人の中国とを比べた場合、1人当たりの単価では、香港=2万8,575円、中国=199円と大きな差が出る。多くの飲食関係の日系企業が香港に多く進出する理由は、こうした点にある。

 「輸出額の増加が大きい主な品目」で見ると、「ホタテ貝(生鮮等)」で271億円増。アメリカ、中国向けが伸びた。「ウイスキー」は99億円増で中国、アメリカのほかシンガポールやイギリス向けが伸びた。「青果物」は91億円増で香港、台湾を中心にリンゴ、イチゴなどの贈答用、家庭内需要が強いことから増加した。

 多くの世界がウィズコロナにシフトをしていた2022年12月単月で見ると、同7.5%増の1,308億円と順調に数字を伸ばした。国・地域別では、中国が同18%増の235億円で1位だった。続いて、香港が同8.6%増の232億円。2022年9月にゼロコロナからウィズコロナにシフトしたことによる経済への好影響が数字に表れ、中国と変わらない数字を記録した。3位はアメリカで同10.2%減の158億円と12月単月では、アメリカがトップ10の国・地域の中で唯一の前年割れとなった。

 単月での「輸出額の増加が大きい主な品目」を見ると、「リンゴ」が24億円増で、香港、台湾向けが多かった。続いて「ホタテ貝(調製)」が18億円増で、こちらも香港が主な輸出先だった。この2品目に香港が入ったのは地方自治体、農業協同組合(JA)、小売店、PR会社など官民一体となったプロモーションが貢献し、香港市民に受け入れられた結果と見られる。

 同じく単月で「輸出額の増加が大きい国・地域」は、「中国」の36億円増で、ナマコ(調製)、サケ・マス、ウイスキーの輸出が伸びた。「台湾」が31億円増で続き、リンゴ、清涼飲料水、牛肉で輸出を伸ばした。「香港」は18億円増で、ホタテ貝(調製)、真珠、リンゴが増加をけん引した。

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