香港の砲台山のアレクサンドラホテル(32 City Garden Rd, North Point 3893 2868)内のカフェ「CafeA」とケーキ販売コーナー「Alice’s Corner」が現在、高知県産ユズを使ったスイーツを提供している。
同ホテルの隣には新しいアート&クラフト様式の複合施設「油街実現」があるエリアで、ここに1908年に建てられた香港遊艇會(Royal Hong Kong Yacht Club)が海岸線にあったことからも分かる通り、埋めたれられたエリアに、新しいホテルと住宅の複合ビルが建設された。
ハーバープラザホテルズ&リゾーツが経営する同ホテルは2020年、何度かの延期の経てオープンした。「ビクトリア朝のエレガンスとモダンさの融合」をテーマに据え、クリスタルシャンデリアを随所に配し、ゴールドとブラックを基調としたホワイエとロビーを備え、客室なども含めてトランプの絵柄をモチーフにしている。食事は主にメインコースのみを選ぶセミビュッフェスタイルで提供していることから、今回開発した高知県産ユズを使ったスイーツを期間限定で並べることになった。特に週末のビュッフェは満席になるほどの客でにぎわう。
スイーツは、高知県の観光セミナーと連動して提供。一般消費者にも高知県をより深く知ってもらおうとホテルと共同で企画した。日本ではユズの産地としても知られる高知県だが、香港では「ユズコショウ」などが先に浸透したこともあり、なかなか高知のイメージに結び付いていないのが現状。一方、シェフやパテシェの間では高知ユズの評価が高いことからも、価格の問題はあるものの、ドレッシングなどペーストなどより使いやすい方法での提供を検討した。
高知産ユズを使ったケーキは生ユズとペーストの両方を使い、4種を開発。ビュッフェの中でPOPなどを使い、観光紹介と併せて紹介をる。
黄色いドーム型の「高知県産ユズのムースケーキ」は、ユズペーストにマンゴーペーストを組み合わせた。最後に金箔(きんぱく)を載せて、彩りよく仕上げた。「高知県産ユズスイスロール」は、ペーストをクリーミーな生クリームと混ぜ合わせ、外側は柔らかく熟したユズの香りがするよう工夫したという。
「高知県ユズのチーズケーキ」は、ユズソースを使ったクリーミーなチーズで、柔らかな食感と甘み、味の層を楽しめるようにした。高知県産ユズのパンナコッタはクリーミーなカスタードにユズソースを使い、「甘さと酸味のバランスを調整しながら作った」という。
今回の内容にホテル支配人をはじめ、シェフも満足で、「このフェアに続き、高知産ユズのアフタヌンティーなどを新たにメニュー開発して、提供していきたい」と意気込む。
価格は、セミビュッフェランチ=大人338香港ドル・子ども298香港ドル、セミビュッフェディナー=大人438香港ドル・子ども378香港ドル~。高知県産ユズスイーツの提供は今月25日まで。