コロナ禍で落ち込んだ消費を刺激するため、香港政府の新政策「開心香港(Happy Hong Kong)」が4月29日、始まる。
映画チケットは30香港ドルにするほか、海洋公園(Ocean Park)でのイベントを先着5000人無料にするなど、エンタメ、スポーツ、食、音楽など、さまざまな催事を開催する。
感染拡大を抑え込むため、香港は他の政府と比べて厳しい防疫措置を打ち出した。その結果、香港経済は壊滅的なダメージを受け、倒産、閉店などが相次いだ。香港政府は、傷ついた香港経済を立て直すため、香港市民には現金または電子マネーを給付したり、無料航空券の配布したりしている。
今回の「ハッピー香港」は、2月に発表されたばかりの2023-24年の財政予算案内に盛り込まれた新政策で、総額2,000万香港ドルを投資して内需を喚起し、香港市民のマインドセットを明るくしようとするほか、経済回復への道を、より確かなものにしようとする意図がある。
2003年に発生した重症急性呼吸器症候群(SARS)も、香港の景気は一気に悪化した。SARS収束後、香港政府は、移動遊園地や、プリンス、ローリングストーンズなどの大物シンガーを多数呼んだ「維港巨星匯(Harbour Fest)」などの復興イベントを実施したが、ハロー香港のコンセプトは、それに近い。
具体的な内容を見ると、SARSの時より幅広い内容となっている。4月29日、香港の映画鑑賞は4DX、IMAXなどを問わず全て一律1人30香港ドルとなる。コロナ禍の約3年間で267日の営業停止があり、UA Cinemasが閉鎖となるなど香港の一大産業である映画界も危機に見舞われた。映画を再び盛り上げるために61の映画館で行い、20万人が観賞すると試算する。
7月8日~8月6日の土曜・日曜の18時~23時は、湾仔(Wan Chai)~金鐘(Admiralty)の海浜プロムナードで「Harbour Chill Carnival」を開催。同エリアは合計2万6000平方メートルの敷地があり、ダンス、文化、芸術のイベントを繰り広げるほか、特設ステージを設け、コンサートなどを予定する。10月4日~8日、西九文化区(WKCD)で5日間連続のジャズフェスティバル「自由爵士音樂節(Freespace Jazz Fest)」を開催。
4月29日・30日には会議展覧中心(HKCEC)、5月6日・7日には沙田大會堂(Sha Tin Town Hall)の広場と沙田公園(Sha Tin Park)、6月3日・4日には観塘(Kwun Tong)の海濱VESSEL發現號の3カ所で、「美食市集(Happy Hong Kong Gourmet Marketplace)」と題して、50~100の屋台が登場。世界各国の料理が楽しめる。
オーシャンパークでは、6月3日・10日・17日・24日の18時30分~21時、「Chill All Night」と題して光と音楽の特別イベントを実施。毎回5000人が無料で参加できるようにする。
スポーツでは、マンチェスター・ユナイテッドのU16の選手が来港し、香港のユース代表とフレンドリーマッチを旺角(Mong Kok)にあるスタジアムで2試合行う。
アカデミックなイベントも予定。8月には数碼港(Cyberport)で話題のWeb3についての討論会を企画するほか、科学園(Science Park)では、ITグッズの販売とグルメが楽しめるバザーを開く予定。