東京のラーメン店「麺心國もと」(G/F, 12 Spring Garden Lane, Wan Chai)が6月12日、灣仔のジョンストンロードとホープウェルセンターを結ぶ春園街にオープンした。同店は2011年に東京都葛飾区の京成高砂駅近くで創業し、わずか12席の小さな店ながら人気を集めてきた。
創業者の國本さんは創業から12年間、「外国人に本物の日本のラーメンを味わってもらいたい、みんなを笑顔にしたい」という思いを持ち、常に海外進出を考えてきたという。昨年、香港店のオーナーとなったジョーダン・リー(Jordan Lee)さんと友人の仲介で出会い、同じ価値観を共有し、「香港の人たちが日本食をとても愛していることを知り、すぐにこのブランドを香港に持ち込むことに決めた」と話す。
店内は、東京の本店のイメージを再現し、ダークトーンで統一したシンプルな内装に仕上げ、カウンター席とテーブル席合わせて21席を用意した。「日本の味をお客さんに伝えたい」という考えから、日本と同じメニューを基本とし、しょうゆラーメン、塩ラーメン、つけ麺、まぜそば、濃厚ラーメンなど5種類のメニューを毎日数量限定で提供する。食材の多くを日本から直輸入し、スープベースから、麺、調味料に至るまで、食品廃棄物を出さないという東京本店と同じ考え方に従って展開する。
スープの素(もと)は、ラーメンの種類ごとに異なるベースを用意し、素材や調味料にこだわる。例えば、塩ラーメンは、粗さや塩分濃度が異なる4種類の塩を炊き、2日間寝かせて味をまろやかにすることで、「複雑かつ丸みのある繊細な」(同店)スープベースになるように「塩だれ」を作る。
エシャロットオイル、ガーリックオイル、チキンオイル、ホタテオイルの4種類の自家製オイルにユズの皮を加えて、ラーメンの味を引き立たせる調味料も使う。麺は作りたてが良いことからも、地元香港の工場で作られた3種類の麺を使うことにした。
「しょうゆラーメン」 (88香港ドル)は、鶏肉と骨を6時間かけて煮込んだ濃厚な鶏ガラと、かつお節を一定の温度で煮込んだ魚のだしを合わせたスープベース。さらに自家製のしょうゆとネギ油を加えることで、「魚のうまみが凝縮されたコクのある」ベースが完成した。具材には、しょうゆに漬け込んだ厚切り豚バラ肉のチャーシュー、じっくり煮込んだ鶏胸肉のチャーシュー、チャーシューの漬け汁にタケノコを漬け込んでできたメンマを添える。仕上げに、焦げ目がつくほどカリッと香ばしく炒めたネギを添えて、「風味豊かな」ラーメンに仕上げた。
「塩らーめん」(88香港ドル)は、澄んだ鶏ガラスープに自家製の塩ダレ、チー油、ホタテ油を加え、ほのかに甘いスープに仕上げ、太めの麺を採用し、同じく2種類のチャーシューに、刻んだネギとのりを添える。
「つけ麺」 (98香港ドル)は、一般的な濃厚なつけ麺のタレではなく、魚のだしにガーリックオイルを加えたあっさりとしたつけダレで、熱くて「風味豊かな」つけダレと、冷たくて細い麺の組み合わせで味のアクセントをつけた。魚のスープを追加で頼むことができる。
「まぜそば」 (98香港ドル)は、具材の組み合わせと麺の食感を重要視し、コシがありながら歯応えのある太めの麺を採用した。ガーリックオイルとしょうゆで味付けした麺の上に、ニンニク、エシャロット、タマネギ、メンマ、かつお粉、じっくり煮込んだチャーシューなど10種類の食材をトッピングする。サイドには魚のスープを添え、好みに応じて、麺と一緒にしても、別々でも楽しめるようにする。
もともと濃い味を好む人が多い香港市場だが、「濃厚ラーメン」 (118香港ドル)は、鶏足、豚足、豚骨を完全に煮詰める工程を経たスープに、麺を投入したもの。スープは煮干しを加え、約18時間かけて煮込み、とろみがつくまでかき混ぜる。細麺のラーメン、しょうゆ漬けの厚切りチャーシュー、メンマ、たっぷりのタマネギを添え、「濃厚なスープながらも、さっぱりとした味のバランス」を目指したという。
各ラーメンは、チャーシュー2枚、味付けゆで卵、のりを追加した「東京スペシャル」に38香港ドル追加で変更することができる。
営業時間は11時~21時30分。