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香港が観光施策、無料航空券を日本で配布 観光の人気回復への起爆剤に  

香港政府日本市場に向けても3万8000枚以上の航空券を無料配布する

香港政府日本市場に向けても3万8000枚以上の航空券を無料配布する

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 香港政府観光局が6月26日、大型観光キャンペーン「World Of Winners」を日本市場に向けてスタートする。香港政府は3月より、世界各国・地域に50万枚の往復航空券を配布する大規模キャンペーンの「World of Winners」を展開してきた。日本では6月26日、キャセイパシフィック航空、香港航空、香港エクスプレスの3航空会社で受け付けを始める。香港の主要産業である観光の起爆剤となることが期待されている。

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 2018年に香港を訪れた観光客は年間6500万人を記録し、世界有数の「観光都市」だった。しかし、2019年の逃亡犯条例に関連する大規模なデモ、その後2020年から3年間は新型コロナウイルスが世界的に拡大した。2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)の経験から、香港政府は他国よりも厳しい防疫措置を取ったが、緩和措置は慎重に行ったため、一足先にアフターコロナにかじを切った欧米と比べて「開国」が遅れた。香港政府としては無料の航空券を配布することで、観光客が戻ってくることを期待している。

 香港-日本間の往来において、ワクチン接種や隔離といった防疫措置がなくなったが、香港市民の人気ナンバーワンの渡航先は日本。日本政府観光局(JNTO)が6月21日に発表した訪日客を見ると、1月~5月で72万3400人が香港から来日。コロナ禍前の2019年1月~5月は88万8859人であったことから、ほぼ8割まで回復し、どの市場よりも回復は早く、航空便も多くの便が満席になるなど、訪日については地方空港便が復活していない問題を除けば、コロナ禍前の状況に回復したといえる。

 一方、香港政府観光局(HKTB)は6月15日に来港者数を発表しているが、中国本土と中国本土以外(=事実上全世界)のみの数字を発表しており、国・地域別の詳細は公表していない。中国本土以外の来港者の1~5月は217万7832人で、香港を訪れた日本人観光客が、日本を訪れた香港人とほぼ同じ89万人を記録することは現実的でないことから、日本人による香港への渡航は大きく戻っていないと推察される。

 今回キャンペーンで日本向けには、キャセイパシフィック航空=1万5000万枚以上、香港航空=6000枚以上、香港エクスプレス=1万7000枚以上の合計3万8000枚以上を用意した。申し込みは各航空会社が用意した専用サイトで行う。キャセイは6月26日正午(日本時間)から抽選で、香港航空は同27日9時(同)から先着順、香港エクスプレスは同26日11時(同)から先着順で受け付ける。地方路線を含めて割り振られているため、出発地などは申し込みの際に選択できる。

 コロナ禍の間に、香港は「M+」は「香港故宮文化博物館(Hong Kong Palace Museum)」といった施設がオープンしたほか、新規レストランも続々開店している。ドン・キホーテ、マツモトキヨシ、スシローをはじめ、多くの日系企業の店舗が香港で店舗を拡大したり、進出したりしたことから、コロナ禍の3年間で香港の街なかでは日系企業も奮闘している。無料配布の打ち上げ花火を契機に、HKTBが今後、継続的に香港の新しいリピーターを増やす政策を打ち出せるかどうかが注目される。

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